C.A.P.10th-証言:HIROS

所有者である神戸市からCAP HOUSEを無償で借り受けるための作戦会議に当初から関わったり、現在のような形で使えるようになったこのCAPHOUSEにときどきふわっと現れて、台所でカレーや芋煮や居酒屋料理を作り、集まってくる人たちと酒を呑み、ごくごくまれに笛を吹くという、外見と馴れ馴れしい態度からいかにも古くからの会員のように見えているかもしれませんが、わたしが正式にCAPの正式の会員になったのは去年の2003年なのです。震災後にフランス人芸術家たちが送ってくれた義援金をCAPに使ってもらったのがきっかけで、本来あまり接点のない美術系の作家たちと、わたしのような音楽や舞踊などのパフォーミング・アーティストたちとの交流が始まりました。

そのフランスの芸術家たちの呼びかけによって設立されたアクト・コウベもCAP HOUSEを中心に活動をすることでCAPの会員たちと次第に相互浸透しました。CAPとの関わりによって、これまであまり関心のなかった美術や作家たちの面白さ、自由さ、しなやかさに触れ、わたしの想像の世界も広がったと思います。

どんな団体でも、10年続けるのはなかなかエネルギーが要るものです。続くことが目的になってしまっては本末転倒になりますが、こんなに自由で風通しがよく、かつそれなりに規律のあるCAPは、これまでにない芸術運動のあり方として世界でもユニークな存在になるだろうし、そうでありたいと願っています。HIROSでした。