2013年10月27日

10/26 「海と山を結ぶ坂道」のお話し☆武内貴子

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撮影:泉山朗士
武内貴子個展「海と山を結ぶ坂道」 
2013年10月5日(土)〜27日(日)10:00〜19:00/最終日は17:00まで
*オープニングパーティー 5(土) 18:00~ /アーティストトーク 26(土)18:00〜

伝 統的意味性をもつ「結ぶ」という言葉をテーマに制作して10年目にあたる2013年、神戸で個展を開催します。2003年、福岡津屋崎というかつて港町で 賑わった小さな町の古い日本家屋で初の個展をスタートし、各地で作品展開をしてきました。蝋に浸した布を結んで空間構成をする作品を主としていますが、私 の作品にとってもっとも重要なのは、その土地の歴史や場のもつ特異性。今回神戸という、異国情緒もただよう港町で、福岡とも重なるような空気感、海のある 町、神戸でまた新しいスタート。海から山に向かうCAPまでの坂道、CAPの周りもすべて坂があり、そこには今も昔も変わらない人々の想いを、結びつない でいます。絡み合う坂道、結び合う坂道に神戸の歴史を垣間みることができるような気がします。
       人はいつも坂の途中、期待を抱え上がり、下がりーーー上がる。

10月27日(日)まで4Fにて展覧会を開催している武内貴子さんのアーティストトークがカフェy3で行われました。
武内さんはCAPメンバーの山村さん浅野さんとのお知り合いという事で今回展覧会を開いて頂いています。



福岡在住の武内さんですが、海外を含め日本国内でも様々な場所で作品展示を行ってきました。
その持ち前の作品思考に「結ぶ」があります。
上記写真では布に蝋をのばしその上を赤く染めたものを紐状にしていくつも結んでいきます。
その赤色には女性ならではの様々な憧れや憂いを感じるからだとか。
それは延々と長く結んだり、格子状にくり返されたりして大きな作品へ仕上がります。
福岡では何十メートルにもおよぶ長方形の立体にしたものを天井から吊す作品なども制作しました。





また、○「まる」に魅せられる事もあり、先ほどの手法にて創られる結びの立体の一部が丸くされる事もあります。
この「まる」は太陽からきたそうです。
まる自体そんなに魅力的では無くても、半円状になった瞬間様々な始まりとか終わりとかが想像されるらしく、
朝日の半円を見ると、これから始まる一日を考えさせられたり、夕日の半円を見ると、消えていく時間を思ったりします。
まるにはそんな先を想像するチカラもあるとか。



武内さんの創られる布の加工について。
何故布に蝋を塗ったうえに染めたものを使うのか。
それは感触が良いからだとか。
布自体がちょっと固めになり、ギュッと触るとカシャカシャって紙の様な音がするのが好き。
それと着物で聞こえるようなキュッキュッーーという音が鳴るのも好き。
そんな感触を作り出す手法なんだそうです。
上の写真が制作過程。
長巻きで準備した大きな布にアイロンで蝋を延ばしていきます。
その上に絵の具を乗せていく。
それを細長く切って結んでいくと作品に仕上がって行くわけですね。



今回は神戸での展覧会なのでこの街を見回ってみた。
ずいぶん坂の多い街って印象です。
山と海が近くて、近いが故に急な坂道になる。
その間に街が広がる。
そんな神戸を表現したかった。



「海と山を結ぶ坂道」
なるほど、このタイトルはしっくりきます。

本日も多くの方々にご来場頂きありがとうございました☆
鳴海健二 01カフェ日記
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