2012年4月17日

3/25「はなしの旅 第二回「頭山・・・あたまやま」レポート

今回もレポートはスタッフとして参加した、中村友梨香さんの執筆&撮影です。

「はなしの旅 第二回「頭山・・・あたまやま」

高濱浩子が野生をテーマにゲストを招き、ともに過ごす一夜

3/25 はなしの旅 第二回「頭山・・・あたまやま」イベントをおえて
・・・・・・・・・・・・・・・・中村友梨香:なじみ仲間(編集者)

画家の高濱浩子さんが一年をかけて野性をテーマにゲストを招き、ともに過ごす一夜「はなしの旅」の第二夜。旅の中で出会い、学び、反省し、感謝しながら前回より少しずつ成長していけるように、入念に準備を重ねてこの日を迎えました。 第二回のゲストはインドの絵巻物師、東野健一さん。昨年、インドでひと月ほどの共同生活をおくった二人。友人、夫婦、師弟・・・?どの関係にも当てはまらない不思議な関係。紙芝居を織り交ぜながら、二人のはなしの旅はどこへ向かうのか、浩子さんもドキドキ、そわそわ。

この日は朝からいいお天気。春の訪れを感じさせる温かい日差しが、台所の窓から差し込みます。白く柔らかいチャツニの湯気とスパイスの幸せな香りが会場に広がり、スタッフに旅の始まりを告げました。前回と同様、なじみの仲間たちで準備開始。
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それぞれの持ち場がすっかり板に付いてきたスタッフたち。「一人ひとりの責任感がすごい」とひろこさんも驚いているほど。上手くいくように、すてきな出会いがあるように、願いを込めながら旅の空間を創っていく作業。真剣な表情があちこちで見られました。今晩のメニューはインドのダルカレー、スパイスいため、トマトチャツニ。カフェはチャイで、+100円でマシュマロを付けました。
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テンポエスカルゴさんは、「ポト(=絵巻物)のみみ」という名前のスパイス入りパイと桜のフィナンシェを販売。ポトのみみは、絵巻物を丸めた端っこの渦巻きと絵巻物師の耳の渦巻きをかけているそう。バターとスパイスのバランスが絶妙で、東野さんも絶賛。フィナンシェは桜の塩漬けが程良く効き、春を食べた気分に。耳と桜を食べる・・・頭山のおはなしの最後、頭の中に飛び込む一文が自然と思い浮かびました。
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今回、浩子さんと東野さんのスペシャル対談をまとめたものを配りました。編集には、前回と同様、編集者の後藤さん、レイアウトはフライヤーと同じ伊勢田さん。第二夜をイメージして絵巻物風に綴られた対談集は、かなりの分量。後藤さんの配慮で、極力、カットをしないように充実した内容になりました。一枚一枚、スタッフが心をこめて巻いています。
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15時半からワークショップが始まります。参加者は9名。大きな段ボール紙に「あたまやま」を描きました。最初は土台となる頭の部分。次に幹と枝、そして桜の花を。少年も大人に混ざって素晴らしい活躍を見せてくれました。上部でアクセントになっている赤い花は、少年の手によるもの。土台の頭の部分を描いた青年は、髪の毛の根っこを描き込み、東野さんを驚かせました。最後に、背景に空の青と風の金色を塗り仕上げます。トーク会場の後ろに設置してみんなで記念撮影。大きい紙にみんなで絵を描くなんてなかなかできない体験。初対面の人ばかりで、世代もバラバラ。だからこそ、いろんな価値観や感性がぶつかり合って混ざり合っておもしろい。生き生きした表情があふれる中で、こんなにすてきな作品が生まれる場に立ち会えた喜びを、いつかふと、思い出してくれるといいなと願わずにいられないワークショップでした。
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17時半。まだ外はほんのり明るい中、いよいよトークが始まります。「かたつむり」絵巻物紙芝居からのスタートです。初めて目にした方も多かったのではないでしょうか。東野さんのパワフルな語り口、会場を動き回ってお客さんを取りこんで進んでいくお話。わっと歓声が起こり、会場は一気に笑顔であふれます。最初から見事にお客さんの心をつかむ東野さん。その後のトークでは、インドでの二人の共同生活の様子、インドの暮らしや文化に触れながら、独特の掛け合いで進んでいきます。急に話が変わったり、立ち上がってお客さんをまき込んだり、トークの椅子に座らせたりと、予期せぬ道へ行く事もしばしば。最後は、「あたまやま」の紙芝居でしめくくられました。
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前回と同様50人弱の方にお越しいただき、大盛況で会を終える事ができました。第一夜はひっそりと闇の音とともにした静かに始まりを告げる旅でしたが、第二夜はお祭りのようにわくわくドキドキ。笑顔があふれる冒険のような旅になりました。お客さんも良い方ばかり。会場が一体となって、旅を盛り上げてくださいました。食事を囲んで今夜もあちこちで、はなしの輪。ここに集まると、誰でも無条件で受け入れてくれる不思議な関係が生まれます。異国の地の旅宿で偶然出会ったような、そんな気持ちになれるのかもしれません。
今回の開催に当たってうれしかったことがあります。前回に参加された方や、フライヤーを見た方がお互いに宣伝をしてくださっていたことです。私たちスタッフの知らないところで、はなしの旅に力を貸してくださっている方々に本当に感謝しています。同じ方向ではないけれど、それぞれの旅の途中で出会った皆さんに、けがのないように、日々小さな幸せが訪れますようにと願っています。
第三回はなしの旅は、5/26イラストレーター・絵本作家のWAKKUNです。次の旅でまたすてきな出会いがありますよう。おまちしております。

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