2013年2月17日

3/15「椎名亮輔に聴く」会場にて書籍販売します

3/15(金)の音楽を作る人に聞く#3「椎名亮輔に聴く」で現代音楽の書籍販売を行います。

ongaku_small.jpg『音楽的時間の変容』椎名亮輔著(2600円)

沈黙は、音響の零度であるか?
音楽という動的な現実に、時間論という哲学的思索は切りこめるか。
精神分析と哲学を手がかりにこの難問に挑む。
西欧近代の伝統における音楽的時間に、道元・西田・廣松ら日本の思想家達の思索を弁証して読み解く秀逸な音楽的時間論。
「本書は、......序章と結論にはさまれた三つの章から成り、第一章では、西洋近代の伝統の中における従来の音楽的時間についての紹介と批判、そして現代日本の社会学者、真木悠介の近代的時間についての研究を紹介。ついで第二章では、まず精神分析から出発して近代的時間のユニークな批判を展開している木村敏の「差異としての時間」論を紹介し、それと共に新しいベルグソン哲学の読みとカール・ダールハウスの音楽的現象学の試みを基礎にして、新たな音楽的時間論を論究した。最後の第三章では、現代の実験的音楽、特に偶然性の音楽における時間性の検討および演奏の現象学と音楽的時間の存在論の試みを提出した。」(本書より)

主要に論じている思想家・音楽家、その文献
マイケル・ナイマン『実験音楽』、ジョン・ケージ『サイレンス』『音楽の零度』『小鳥たちのために』、ブーレーズ『意志と偶然』
ジャック・デリダ『声と現象』、レヴィ=ストロース『野生の思考』
ハイデッガー『存在と時間』、フッサール『内的時間意識の現象学』、ベルグソン『時間と自由』、ドゥルーズ『ベルグソンの哲学』、クリプキ『ヴィトゲンシュタインのパラドックス』
真木悠介『時間の比較社会学』、近藤譲『線の音楽』『耳の思考』
木村敏『時間と自己』『分裂病の現象学』、松岡心平『宴の身体』
道元『正法眼蔵』、西田幾多郎『西田幾多郎哲学論集』、九鬼周造『偶然性の問題』『人間と実存』廣松渉『表情』『心身問題』など

ferrari_small.jpg『リュック・フェラーリと ほとんど何もない』ジャクリーヌ・コー/椎名亮輔訳(2800円)

ディスコグラフィー音楽のエロス、エロスの音楽、とは何か?音楽家フェラーリが、自らの知られざる側面を自由奔放に語るインタビュー集。写真多数、詳細な作品目録付き。

リュック・フェラーリ(1929-2005)
1929年パリ生まれの作曲家。50年代後半よりミュージック・コンクレートの創作に本格的に関わりはじめるが、やがて「逸話的音楽」という独自の方向を見出し、60年代末にはその理念がもっとも端的な形で結晶した代表作"Presque Rine"第1番「海岸の夜明」を生みだす。以後亡くなるまで旺盛な創作力を示し続けた。晩年にはCDJによる即興的なスタイルで自ら若い音楽家たちとのコラボレーションにも積極的に関わった。

ジャクリーヌ・コー
フランスの音楽学者。フェラーリ夫妻の親友であり、フェラーリの音楽についてもっとも深い理解者の一人。フェラーリの音楽について多角的に紹介した《リュック・フェラーリと共に ほとんど何もない》のドキュメンタリーを、パスカル・オリビエと協同監督した。

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