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2005/7/1-18
Acte Kobe Project 2005

アクトコウベジャパン、C.A.P.(芸術と計画会議)
助成:震災10年神戸からの発信、阪神淡路大震災10周年記念事業
協力:アクトコウベフランス、マルセイユ市

1995年の阪神淡路大震災から、フランスと日本の芸術交流が生まれました。以来、「壊れやすさ」「創造性」「連帯」の三つのキーワードを持って両国のアーティストは実践的に活動を続けてきました。2005年夏、10年来の友人となったフランスのアーティストを神戸に招き、芸術と社会のより良い関係を、三つのキーワードを検証しつつともに考えてみました。
7月1日(金)〜7月18日(月)の間、CAP HOUSEでアーティストが神戸のまちに身を置いて作品制作や、音楽、ダンスのセッションをを行いました。これらの活動は全て無料で公開され、期間中アトリエやギャラリーにぶらりと訪れた人たちとのコミュニケーションの機会となりました。

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<プログラム>
アーティストトーク
オリヴィエ・ウアー/Olivier HUARD+マガリ・ラティ/Magali LATIL

7月2日(土) 19:00

アクトコウベフランスから参加の美術家2名の自作、そして活動についてのお話しです。オリヴィエ・ウアーは、考古学者を祖父に持ち、子供の頃に見せてもらった原始的な壁画に強く影響を受けました。今回は群衆をテーマに作品を制作し、また展示しました。マガリ・ラティは紙を素材に多様な表現を行っています。トークではパソコンの画像をふんだんに使いこれまでの活動を包括的に紹介してくれました。トーク終了後は来場者も音楽家も揃ってパーティ−を開催しました。


コンサート
クリスチャン・ブラズィエール/Christian BRAZIER(cb)、ジャンピエール・ジュリアン/Jean-Pierre JULLIAN(perc)、Hiros(bansuri)、角正之(ダンス)、他

6日(水)、7日(木)、8日(金) 毎晩19:00より

アクトコウベフランスからのコントラバス、打楽器の音楽家を中心に音楽、ダンスの即興のセッション・コンサートを3晩行いました。ソロ、デュオ、トリオ、さまざまな組み合わせでそれぞれ個性を発揮し、大変興味深い演奏となりました。上記のアーティスト以外に、アクトコウベジャパンの白井廣美、北川真智子、佐久間新、ウイヤンタリ、東野健一、京都から歳森彰、民謡の安曇野めぐ留、コントラバスの中島教秀、フラメンコバイオリンの三木重人、C.A.P.ガムランクラスのメンバーたちなど、他にも沢山の人たちがセッションを行ないました。


「アクト・コウベ・プロジェクト2005」展

9日(土)〜18日(月)

参加作家:オリヴィエ・ウアー、マガリ・ラティ、白井廣美、杉山知子、歳森勲、中島康治、東野健一、龍神悦子
アトリエ、ギャラリー、リビングルームなどを使っての日仏アクトコウベ作家による展覧会です。オリヴィエ・ウアーは一階、リビングルームの大きな壁に帰国直前まで群衆をテーマに絵を書き続けました。

公開ディスカッション

9日(土)16:00

芸術活動と日仏の社会生活、「壊れやすさ」「創造性」「連帯」について、そして芸術と震災について日仏、両アクトコウベのアーティストが話し合いました。震災直後のフランスでどのようにアクトコウベの活動が起ったのか、また参加したアーティスト個人の芸術活動と、アクトコウベの社会的な活動がどのように関わっていったのか、などじっくりと話しあう機会となりました。引き続き、19:00からはコンサートとパーティーを開催しました。

<企画趣旨>
アクトコウベ〜 震災を契機に生まれた芸術家の連帯
アクト・コウベは、阪神淡路大震災を契機に、日本とフランスそしてスイスの芸術家を中心に生まれた非営利団体です。震災直後、被災地での芸術文化関係の催事が自粛されるなか、私たち被災地の芸術家は『芸術(家)と社会の関係』という問題に直面しました。職業というより人生そのものとして芸術活動を行っているものにとって、自己の存在意義を問われることになった訳です。「自分の仕事は、社会に必要とされていないのか?人々の生活には芸術は必要ないのか?」
 そして、フランス・マルセイユで芸術家が150人余り参加し、義援イベント「アクト・コウベ」がすぐに開催されました。彼等から私たちに対する連帯が示され、非常に勇気付けられました。また続いてスイス・ベルンでも「アクト・コウベ2」が行われたのです。
 その後、フランスやスイスの芸術家達と交流活動を行い、私たち自身がフランスやスイスに渡り芸術家だけでなく地域の人達とも関わっていくなかで、「生きていく実感を味わえるような社会を芸術を通して実現できないだろうか?また私たち自身の生活する社会の人々に対してこのような社会を提言していくことは出来ないだろうか?」と考えるようになりました。
 震災は私たちに、芸術の根本的意義を社会のなかでとらえ直すことを促しました。このプロジェクトを実施することだけで、芸術が生活の一部として機能する地域社会が即実現するとは思いませんが、私たち自身がフランスやスイスで体験を通して感じ取っていったように、私たち自身の社会の人々にまず体験を通した問題提起を行うことが大切であると考え、このプロジェクトを推進していきたいと思っています。


<フランスからの参加者プロフィール>
■オリヴィエ・ウアー
1970年生まれ。美術作家。彼のデッサンおよび絵画の主要なテーマは、旧石器時代彫版に見られるような、有史以前のアフリカの芸術、特に重ねた線で描かれる動物図形などにインスピレーションを受けたものである。それらの作品は、不明瞭な輪郭線とはっきりした形ないし状況が同時に表現される。マルセイユ、パリなどで個展、グループ展を展開している。アクト・コウベ・フランス創設メンバーの一人。

■マガリ・ラティ
1965年、トゥーロン生まれ。美術作家。トゥーロン美術大学(1989)、およびマルセイユ美術大学(1991)でディプロマを取得した後、ドローイング、インスタレーションの制作および執筆活動を行っている。2005年には、造形美術特別講師として公認される。トゥーロンはもとより、マルセイユやその周辺の都市で個展を開いている。2002年からアクト・コウベ・フランス代表。トゥーロン在住。

■パスカル・ブレー
1956年生まれ。メディテラネー大学社会学準教授、INSERM Research(マルセイユ)医療社会学研究者。遺伝学及び医学生物学関連分野の革新と、その医療現場への応用が研究の中心。アクト・コウベ運動の草創から関わり、2002年からアクト・コウベ・フランス事務局を担当している。マルセイユ市在住。

■クリスティアン・ブラズィエール
1952年生まれ。コントラバス奏者、作曲家。国立音楽院でクラシックとジャズを学ぶ。現代ヨーロッパ・ジャズ、即興音楽の演奏家としてばかりでなく、地中海地方の民俗音楽演奏家として活動中。マルセイユで作られた自身のリーダーアルバムの他、共演として数多くのレコーディングに参加。マルセイユ在住。アクト・コウベ・フランス創設メンバーの一人。

■ジャンピエール・ジュリアン
1958年、モンペリエ生まれ。打楽器奏者、作曲家。ジャズ、即興音楽、現代音楽の分野で音楽活動を行っている。1987年、ジャズ講師として国家公認を受ける。ステファン・オリヴァ(ピアノ)、クロード・チャミチャン(バス)らと制作したCDは1993年に「ジャンゴ金賞」を受賞。自身の6重奏団の活動の他、振付家リュック・モウボンと共同作品を制作。アクト・コウベ・フランスのメンバーとして、神戸で行われた「アクト・コウベ・プロジェクト2001」に参加。


2003年 ・ 2004年 ・ 2005年

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