2/3(土)~25(日)神戸仁川芸術交流プロジェクト〜写真家・柳銀珪+伝統韓服・尹炳玉展 「白衣の暮らし」

韓国南部の青鶴洞(チョンハクドン)は儒教の伝統を守って暮らす村。人々は日常も白い韓服を着て過ごしている。 柳銀珪(リュ・ウンギュ)は、初めて青鶴洞を訪れたとき、この山奥の白衣の人々に驚いたものの、語り合ううちに心の友としてのつき合いが始まり、いつしか30年余りの歳月が流れた。
柳銀珪のポートレート作品は、伝統を守る人々の素朴な暮らしや思いを伝える。

尹炳玉(ユン・ビョンオク)は、韓服とヌビの作家である。韓服では、伝統的なものだからこその形や色合いを表現する。さまざまな色のあふれる現代において、真っ白な韓服は節制と究極の美を表現するものであり、きらびやかな現代韓服とは一線を画した魅力にあふれている。
(戸田郁子)

 

昨年柳銀珪氏の写真を初めて見た時は衝撃的だった。ある種の郷愁にも似た感覚と同時に押し寄せてくる時間感覚のずれ、しかもそれが今現在の村人の生活の記録なのだと聞いて絶句した。
韓国仁川で画廊を経営する戸田郁子さんから今展覧会の素晴らしいアイディアをいただいた。柳氏と尹氏によるこの展覧会(写真と衣服)は見るものを別世界に引き込んでくれるだろう。
(JUN TAMBA)

 

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神戸仁川芸術交流プロジェクト
写真家・柳銀珪(リュ・ウンギュ)+伝統韓服・尹炳玉(ユン・ビョンオク)展
「白衣の暮らし」

2018年2月3日(土)〜2月25日(日)
10:00〜19:00/5(月)、13(火)、19(月)は休館

主催:C.A.P.
協力:日本韓国中国交流準備委員会、神戸大学人間表現学科
助成:公益財団法人日韓文化交流基金

会場:KOBE STUDIO Y3/C.A.P.
神戸市中央区山本通3-19-8海外移住と文化の交流センター内
tel&fax:078-222-1003(10:00-19:00 月曜休館)
info@xd804119.wp.xdomain.jp

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<関連イベント>
アーティストトーク+オープニングパーティー
2月3日(土)17:00〜/参加費:無料

「日韓芸術交流シンポジウム〜神戸仁川芸術交流の可能性」
2月4日(日)16:00〜/話者:柳銀珪、尹炳玉、戸田郁子、JUN TAMBA、下田展久/参加費:無料
2016年、韓国仁川でJUN TAMBA(塚脇淳)展開催。シンポジウム「開港場仁川と神戸をつなぐアートシンポジウム」では、C.A.P.の理事長である下田が渡韓し、神戸のアートNPOの紹介や意見交換を行った。今年度は写真家である柳銀珪氏と韓服作家尹炳玉氏及び韓国仁川で官洞ギャラリーを経営する戸田郁子氏を交えて、日韓芸術交流の可能性を話し合います。

「韓国伝統工芸ヌビワークショップ」
会期中随時受付/講師:尹炳玉
受講料(材料費込み):
・マフラー短 10,000円、マフラー長 15,000円・・・所要時間約3時間
・ベスト 小児用 20,000円 ・・・所要時間約5時間
・ベスト 大人用 30,000円・・・所要時間約7時間

伝統工芸のヌビは、真心を紡ぐ忍耐の作業から生み出されるもの。その技法を使って、韓服だけでなく洗練されたデザインの服を縫いあげました。日本の和服地と韓国の明紬を縫い合わせたヌビの服は、日韓の心を結ぶ新しい提案です。
※展示期間中、完成するまで何度通ってもかまいません。

 

<関連企画>
神戸大学人間発達環境学研究科学術ウィークス講演
「日韓文化交流プロジェクト〜白衣の暮らし」
2月6日(火)15:00~17:00
参加無料/予約不要/話者:柳銀珪、尹炳玉、戸田郁子
会場:神戸大学発達科学部Dルーム(A棟1階)神戸市灘区鶴甲三丁目11(交通:神戸市バス36系統鶴甲団地行き発達科学部前下車)
問合:078-803-7804(立体造形研究室)
昨年始動した神戸仁川芸術交流事業の第2弾として、柳銀珪氏、日中韓交流を構想する戸田郁子氏、尹炳玉の3名を神戸に招聘。日中韓三国で普遍的に存在する「現代人の暮らしと伝統」をテーマに伝統文化の継承への取り組みや葛藤について、それぞれの立場で考え、重層的な日韓双方の対話と交流を考える。

 

【プロフィール】


柳銀珪(リュ・ウンギュ)
写真家 ソウル生まれ。儒教の伝統を守って暮らす青鶴洞村を、30年余りにわたって撮り続ける。韓中修交直後の1993年に中国黒竜江省ハルビンに渡り、朝鮮族の生活や抗日独立運動の末裔たちの姿を撮影。また旧満洲地域を取材し、中国朝鮮族の移住と定着の歴史を写真を通じて検証する。これまでに『青鶴ー存在する夢』『忘れられた痕跡 独立運動の後裔たち』『忘れられた痕跡 写真で見る朝鮮族100年史』『延辺文化大革命』などの写真集を発表。

 


尹炳玉(ユン・ビョンオク)
伝統韓服・ヌビ作家 大韓民国重要無形文化財針線匠の具恵子(グ・ヘジャ)から伝統韓服を、無形文化財ヌビ匠の金海子(キム・ヘジャ)から伝統ヌビを、また伝承工芸大展天然染色部門で大統領賞を受賞した李炳瓉(イ・ビョンチャン)から染色を学ぶ。 ヌビとは絹地に綿をはさんで縫い合わせる、寒さの厳しい国の人々が生み出した伝統工芸。一定の感覚でまっすぐに縫い続けるヌビは、無我の境地に至る修練でもあると言う。これまで大阪でヌビの展示会とワークショップ実施、2016年には仁川官洞ギャラリーで個展『冬の日のヌビ』を開催した。

 


戸田郁子(トダ・イクコ)
作家・仁川官洞ギャラリー館長 在韓歴20年以上、中国でも10年近くを過ごす。韓国仁川で官洞ギャラリーを運営。また図書出版土香(トヒャン)で、韓国の口承民謡を伽倻琴演奏用の楽譜に整理した『ソリの道をさがして』シリーズ、『モダン仁川-鳥瞰図と写真で見る1930年代』などの本を制作。朝日新聞GLOBEの「世界の書店から」では韓国のベストセラーを紹介するコラムも執筆中。著書に『中国朝鮮族を生きる 旧満洲の記憶』(岩波書店)、『悩ましくて愛しいハングル』(講談社+α文庫)、『ふだん着のソウル案内』(晶文社)、翻訳書に『世界最強の囲碁棋士、曺薫鉉の考え方』(アルク)など多数。

 


JUN TAMBA(塚脇淳 ツカワキ・ジュン)
彫刻家 1952年京都府生まれ。2015年、作家名をJUN TAMBA とし、鉄を素材に構成的抽象彫刻を追求している。近年は制作プロセスを重視する公開制作やシンポジウムなどに力点を移し、海外での活動が顕著。ロシア・ペンザ国際彫刻シンポジウムでの野外彫刻現地制作、韓国・仁川での滞在制作・展覧会など、アートによる対話と交流事業に傾注している。プサンビエンナーレ・スカルプチャープロジェクト(韓国)、「From The Earth Project」「彫刻を音で見るワークショップ」(西宮市立大谷記念美術館・兵庫)、神戸ビエンナーレ海上アート展(兵庫)などに参加。C.A.P.メンバー。

 


下田展久(シモダ・ノブヒサ)
C.A.P.代表 1957年生まれ。和光大学卒。神戸の音響機器メーカー株式会社TOAに入社し、1989年のジーベックホールオープンから2000年まで同ホールでプロデュースを担当。1997年よりC.A.P.に参加。C.A.P.は、2009年より海外移住と文化の交流センターで指定管理者の一員として芸術の国際交流事業を担当している。2015年よりC.A.P.代表。