2011年7月 9日

7/9(土)「Y3アトリエアーティスト披露展」リレートークの様子

リレートーク第3回。坂井良太さん、井階麻未さんが話しました。 110709talk01.jpg
まずは坂井良太さん。彼が企画した「Living Room」でスタートしました。
iMacに映っているのはC.A.P.で活動をはじめた頃の彼の作品。

ずっと油彩画だそうで、学生時代、モノクロで描き込むような作品から、シンプルな構成で色の響き合いを見るような傾向に変わっていったとのこと。
また、見せ方をどうするか考え込んだ時期もあったとか。まだそうなのかもしれません。
絵画はキャンバスの表面に描かれた内容のことなのか、それとも壁に掛けたときのモノとしての全体と考えるべきなのか、、、こうして群馬の中之条ビエンナーレでの展示では、廃校で壁面に二つの油彩を設置し、その絵画のテーマとなった物理学の理論のメモ書きを同じ壁面にピンナップ。ひとつの壁面というモノの作品として提示する実験をした、とのことです。
最近の坂井良太の作品は物理学の理論を自分なりの方法で描いている物がほとんどです。
110709talk02.jpg
自作を前にして。
これは「ド・ブロイ波」という作品。粒子の運動を波長でとらえるという、、、量子力学の出発点のような説だそうで、、、
それで、最近の本人は、このような物理理論から描いた結果が絵画として面白くなっているのか?ということに頭を悩ませている模様。ほんと、科学好きなんです。
参加者は少なかったけど突っ込み満載で、楽しかった。

さて、井階さん。
110709talk03.jpg
意表を突いたスタートで、床に正座です。
で、スケッチブックに器用に円を描いて「みなさんに質問です。これは何に見えますか?」という問いではじまりました。
坂井くんの時の質問攻めを見ての戦略、攻撃は最大の防御なり、、、でしょうか。
みんなそれぞれ「丸にみえます」とか「顔に見える」とか「穴に見える」、「日の丸」などなど、言ってたら、これが井階さんにとっての絵を描き始める方法だそうです。
頭に浮かぶ物をパッと描いて、そこから思い浮かぶものをどんどん描きたしてゆく。
また、そのおおもとになるのが自分で発想した物語だそうです。
この下のパネル6枚で構成されている絵もそのように描いたものだそうです。
ちなみに左下のパネルの女の子の絵から描きはじめ、画面からはみ出してパネルを足し、最後は右下のパネルで完了したそうです。
110709talk05.jpg
「陽気なフォアグラ」とか「竹輪の背伸び」とかいつもタイトルが面白い井階さんの作品です。
「一つの絵には物語がある。わたしの絵は全部、物語があるが、それが現れているのは普通はタイトルだけです。」ということで、今日は初めて物語自体を話してもらいました。妙な話しでした。
耳の絵を描いて、下に星が下がっていて、耳の中程に小さなドアがある。そんな絵をスケッチブックにさらさら〜〜と描いて、、、、
「あるとき、耳と星は大の仲良しでした。耳にはドアがありましたが誰もそのドアを開けた物は居ません。その向こうに何があるのか、耳は話しません。星が耳の淵を滑って遊んでいるときうっかりそのドアから向こうに転がり込んでしまいました。そして星は脳になりました」なああんて話しをするんです。
110709talk04.jpg
みなさん最初は何を質問したらよいのかたじろぎましたが、だれかが口火を切ると次から次へと様々な質問が噴出!
さて、一番手前であぐらをかいて聴いているのが明日、7月10日の18:30から話しをする築山有城さんです。
リレートークは楽しい。予約不要、ぜひお越し下さい。

shimoda 01Y3日記
コメントしてください