2012年5月12日

6/10(日)CAP STUDY 3「ビブリオテーク208.ext〜移動美術資料室がCAPにやって来る!」美術館を知る(1):ニューヨーク近代美術館

facebook pageもあります。
ご予約は電子メールでお願いします。
イベント名とお名前をお知らせ下さい。
1206_biblio_th_biblio.jpg
CAP STUDY3
「ビブリオテーク208.ext〜移動美術資料室がCAPにやって来る!」
美術館を知る(1):ニューヨーク近代美術館
2012年6月10日(日) 15:00〜18:00
講師:森下明彦(メディア・アーティスト、美術愛好家)
参加費:500円/【要予約】 
前から気になっていた――私たちが日頃、美術館だ、なんだと言いながら、実は良く分かってないのでは、と。例えば、「ニューヨーク近代美術館」(以下、MoMAと略記)。ある意味現代美術の総本山と言えるだろうが、そもそも、1929年の開館時に初代館長が弱冠27歳のアルフレッド・バー2世であったことからして、驚きだ。さらに「近代」を標榜しつつ、絵画や彫刻だけでなく、映画、建築、デザインなど、幅広い分野を扱う方針であったことも注目すべきである。

MoMAのこの国への影響は、例えば、1950年代初頭の神奈川県立近代美術館(1951年)や国立近代美術館(1952年/現在の東京国立近代美術館。後に京都に分館が設置され、現在の京都国立近代美術館になる)の創設に見て取れる(展覧会内容についても同様)。共に「近代」と謳っているのだ。あるいは、戦前、あの有名な「立体派と抽象美術」展(1936年)すら、美術雑誌に直ぐに紹介があった(カタログの翻訳、ほか)。

つまり、MoMAはこの国の美術に関して、かなりの影響を与えてきたと言える。冒頭に書いたように、そのMoMAについて私たちはさほど知っているのではない(さらに、MoMAに代表される「美術館」そのものについても)。そこで今回の移動美術資料室、CAP版の2年目の最初に、無謀を承知で「ニューヨーク近代美術館」を取り上げることにした

全くの偶然であるが、大分以前からこの美術館に関する研究を続けて来られた大坪健二さんが、その成果を今年になって出版された。追い風である。MoMA発行の展覧会カタログや関連書籍の数は膨大なものであるが、今回は歴史的な意義を持ったものを選りすぐってお目にかけたい。

主な資料:
MoMA発行のカタログ(*印は復刻版):
"Cezanne, Gaugan, Seurat, van Gogh"(1929)
"Machine Art"(1934)*
"Cubism and Abstract Art"(1936)
"Fantastic Art, Dada, Surrealism"(1936)
"The Art of Assemblage"(1961)
"The Machine, As Seen at the End of the Mechanical Age"(1968)
"Information"(1970)
"Marcel Duchamp"(1973)
"Before Photography"(1981)
"High and Low: Modern Art and Popular Culture"(1990)
"Modern Women: Women Artists at the Museum of Modern Art"(2010)

日本における資料:
「アトリエ」(特集:前衛絵画の研究と批判/1937年6月)
『現代アメリカ工芸』(技術資料刊行会/1949年)
大坪健二『アルフレッド・バーとニューヨーク近代美術館の誕生―アメリカ20世紀美術の一研究』(三元社/2012年)

全10回分の日時、テーマ一覧はこちら、C.A.P.のニュースレター、2011年「caper6月号」のピックアップ記事「Bibliotheque 208主宰、森下明彦インタビュー」はこちらです。

森下明彦(メディア・アーティスト/美術愛好家)
フリーで美術と映像に関する研究を続けながら、美術資料室(神戸市)の開設公開を準備中。
また、国立国際美術館客員研究員として「中之島映像劇場」という名称の映像上映会を企画。
コメントしてください