インタラクションとコミュニケーションを作品制作の基本コンセプトとし、活動を続ける浅野耕平。コンピューターを介したテレコミュニケーションではなく、作品を通し人と人が直接関わり合う場やきっかけをより多く創造することを目指しているという彼の作品は、一見すると無機質だと思われがちなコンピューターの技術を見事に裏切り私たちをどこか幸せな気持ちにさせてくれます。花壇のなかにある紙ふぶきを舞い上げることで土だけであった花壇に若葉が芽生えやがて花が咲き乱れる「Garden」や、テレビ画面のなかに潜む猫に向かって猫じゃらしをふったり、手を叩いたりして彼らの反応を伺う「幸せはそこにある」は、それが例えつくりものの偽者であるとは分かっていたとはしても、ついつい夢中になって紙ふぶきを舞い上がらせてしまったり、猫に話かけたりという不思議な力を鑑賞者の前で発揮します 。コミュニケーションという点において多くの共通点を持つCAP HOUSEと浅野耕平。10月27日のリビングルームは、彼の作品を実際に触れながらインタラクションとコミュニケーション、さらにはアートについて浅野耕平と共に探っていきます。…藤川怜子
■インタラクションとコミュニケーションとアート
前日からの大雨が降っていたので、当日はどうなることやら…と心配していたのですが天気もなんとか持ち直し無事にイベントを開催することができました。東京からお持ち頂いた作品の展示も完了し、イベントスタート!あさのさんの作られてきた作品のスライドを中心に、どのような経緯でメディアアーティストになられたのか、作品のコンセプトなど丁寧にお話いただきました。インタラクティブがコミュニケーションを生み、それがアートへそして新たなコミュニケーションへとつながっていく…、というあさのさんの考え方は、決してメディアアートの世界だけなくファインアートやその他のすべての世界にも共通するものだと感じました。 個人的にはコミュニケーションとメディアの関係の重要性について再認識させられるものとなりました。トークのあとは作品の体験タイムもあり、きて頂いた方には楽しんでいただけたのではないかと思っています。力不足のホステス役ではありましたが、参加して頂いた方、力を貸してくださった方、本当にありがとうございました。
《ホステス》藤川怜子 (美術家)