7/22(金)〜24(日)ポリゴノーラ〜植物から生まれた音階を実現する楽器

植物「スイカ」から生まれた音階を実現する楽器を「ポリゴノーラPOLYGONOLA」と名付けて、そのご紹介、演奏をします。展示の際には楽器に触っていただくこともできます。

 

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「ポリゴノーラ〜植物から生まれた音階を実現する楽器」

 

展示(入場無料):2016年7月22日(金)12:00~19:00 、23日(土)10:00~19:00

レクチャー・パフォーマンス: 2016年7月24日(日)14:30〜17:00  ※14:00開場
講師:櫻井直樹(生物振動研究所)
出演:鈴木昭男(ポリゴノーラ)、志村哲(尺八)、桜井真樹子(歌舞)
料金:予約2,500円、当日3,000円、高・大学生・障害者1,500円、小中学生無料(未就学時の入場はご遠慮ください)
会場: KOBE STUDIO Y3 (〒650-0003 神戸市中央区山本通3-19-8 海外移住と文化の交流センター内 5階ホール)
アクセス :JR元町駅東口から鯉川筋を 北上し、徒歩約15分 ・市営地下鉄「県庁前」駅より徒歩10分 ・JR・阪神・阪急 三宮から 市バス7系統「山本通3丁目」 または「山本通4丁目」下車徒歩約2分 ・新幹線、新神戸駅からタクシーで約10分

 

【チケット予約・お問い合わせ】
■C.A.P. 芸術と計画会議 (10:00-19:00/月曜日休)
Phone & Fax: 078-222-1003
Email: info@xd804119.wp.xdomain.jp

■有限会社 生物振動研究所
Phone: 082-424-7889
右記HP内のお問い合わせフォームよりお願いします。 HP: http://www.oto-circle.jp/

 

主催:芸術と計画会議(C.A.P)、(有)生物振動研究所
企画:櫻井直樹
制作:桜井真樹子
舞台進行:森 信子
司会:渡辺 譲
スタッフ:麻尾佐三江

 

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熟成したスイカの共鳴振動を、人間の可聴範囲の音にしてみたところ、インドネシアのガムランのよ うな響きであることから、「スイカの音」を楽器にしようとしました。
この発想から楽器完成の今日まで10年が経ちました。この楽器をポリゴン(Polygon=多角形)の言葉をもとにポリゴノーラ(POLYGONOLA)と名付けました。ポリゴノーラの響きが、新たに提示してきたものがあります。それは、弦のように、一次元(線)の響きではない、二次元(面)が生み出す「響き」と「音階」です。
一つは、音階が、みなさんの知っているドレミではないこと。そしてそれは日本の音階でもありません。
もう一つは、一循環が一オクターブではなく、一オクターブ以上であったこと。
ポリゴノーラの響きは、豊かでユニークな倍音を含んでいます。スイカの響きは、澄んだ弦の響きよりも、自然の雑音を含んだような音でした。そして、その残響は、梵鐘の余韻のようでもあります。それは、日本人が古い楽器に求めていた音と似通った響きをもっています。
新たに作ろうとした楽器が、実は、いにしえの人々が心地よく感じる響きだったのかもしれないことを、尺八や日本の声と、ポリゴノーラとのセッションで試みます。鈴木昭男(ポリゴノーラ)と、志村哲(尺八)、桜井真樹子(声明)の演奏をお楽しみください。

 

植物学者 櫻井直樹

 

参考映像
灰野敬二 ポリゴノーラパフォーマンス
委嘱作品『First Fligt』 作曲:一ノ瀬トニカ 演奏:神田佳子・稲野珠緒

 

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内容:

◎レクチャー (櫻井直樹)
ポリゴノーラの楽器について。 その響きの特徴と、理由について。

◎ポリゴノーラの演奏
・鈴木昭男によるポリゴノーラの即興演奏
・志村哲の尺八とポリゴノーラ(桜井真樹子)の演奏
・桜井真樹子の声とポリゴノーラの演奏
・鈴木昭男、志村哲、桜井真樹子の三人による即興演奏

 

【プロフィール】

■櫻井 直樹(Naoki Sakurai)
櫻井直樹01

1969年大阪市立大学理学部生物学科入学、1978年 同理学研究科博士課程修了(理学博士)。現広島大学特任教授。
1992年から果実の熟度を切らずに推定するために果実の硬さを振動で測定する研究を始める。果実に微 弱な振動を与えて果実の硬度を評価する研究の過程で、スイカの共鳴振動が、いわゆる弦の振動のよう な整数倍音ではなく、非整数であることを認め、この非整数倍音から現在ひろく使われているドレミでは ない音階を作ることを思いついた。楽器としては青銅製の板で、多角形(三角形、四角形、五角形、円盤な ど)をしている。非整数倍音の共鳴振動から作られる音階は、すべてドレミとは異なり、オクターブも2倍で はないことを明らかにした。

 

■鈴木 昭男(Akio Suzuki)
鈴木昭男01

1963年より自修イベントという独自の音世界を探求。1970年に創作音器ANALAPOSを創作。1978年フェ スティバル・ドートンヌ・パリ出演を機にコンセプチャルな音の演奏を始め、1983年ジャパンハウスN.Y.。 1987年ドクメンタ 8・カッセル(パフォーマンス部門)に出場。1998年ドナウエッシンゲン現代音楽祭では、 音のインスタレーションを手がけるなど、領域を超えた表現によって各地のフェスティバルに招かれてき た。1996年にベルリンで開催されたソナンビエンテ・フェスティバルで発表した「点 音(oto-date)」は、 1988年に京都府下丹後で遂行した自然に耳を澄ますプロジェクト「日向ぼっこの空間」共に、60年代の自 修イベントを公共の場に発展させた作品で、その後世界各地で展開してきている。その他、様々な素材か ら音響を導き出しての演奏でも知られ、即興演奏家とのセッションも多い

 

■桜井 真樹子(Makiko Sakurai)
桜井真樹子01

作曲家・ヴォーカリスト(天台声明)・パフォーマー(白拍子)。 天台宗大原流声明を中山玄晋に師事。龍笛を芝祐靖に師事。ナバホ、ホピ、タオス・プエブロのネイティ ブ・アメリカンの音楽をフィールド・ワークする。イスラエルのイエメン系ユダヤ人の歌謡「ディワン」をギー ラ・ベシャリに師事。平安時代の女性歌謡と舞踊「白拍子」の演奏形態を復活、再制作する。「水猿曲(みず のえんきょく)」「蓬莱山」「しずやしず」「鬢多々良」「丹生の翁」などを発表。原作・脚本の活動、創作能「かぐ や姫」(2006)、「マンハッタン翁」(2007~2015)、「水軍女王」(2009,2013)、「刀塚」(2010)、「岸辺の大臣」 (2014)。こけし浄瑠璃「はなこのおむこさん」(2011、2013)などを手がける。 http://www.zipangu.com/sakurai/

 

■志村 哲 (Satosi SIMURA)
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地無し尺八吹奏家・ピリオド楽器研究家。大阪芸術大学教授。 竹保流尺八開祖・酒井竹翁師、酒井松道師に師事するとともに、故 月溪恒子師と尺八に関する全国調査を 続け、各地の伝承者から虚無僧尺八の演奏技法を学ぶ(竹号は禅保)。古管尺八の研究で博士号(学術)取 得。コンピュータ音楽の世界では、Cyber尺八プロジェクトを展開。国際尺八フェスティバルなど国内外で 講演・演奏のほか、最近は、神社仏閣への奉納演奏と、学校教育における日本伝統文化の再構築に傾倒。 大阪に尺八博物館<松風文庫>開設。
主著は『古管尺八の楽器学』(出版芸術社)、『事典 世界音楽の本』(岩波書店)、CDは「地無し尺八の可能 性 .祈りから未来へ」・「箏の古典と白繭の響き .太助箏による」(浜松市楽器博物館、近藤宗悦作他 の地無し尺八使用)他多数。