11/1(日)~29(日)矢野衣美個展「光のみずうみ」

私は主にコップなどのガラスをモチーフにした油絵の作品を描いています。今回は絵だけでなく空間を使って表現することにもチャレンジしています。少しでも私のみている世界の片鱗をお届けできますように!

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矢野衣美個展「光のみずうみ」
2020年11月1日(日)〜29日(日)
10:00〜19:00/2(月)、9(月)、16(月)、24(火)休館

[関連イベント]
1(日)ギャラリートーク
14:00~/参加費:無料

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今月のニュース:光りのみずうみをみつけるまで 矢野衣美

生まれた時から自然に囲まれて育った私は虫や生き物、石や植物など自然界といわれる世界がとても大好きです。毎日飽きもせず野原と畑と田んぼをまわり、家では動物番組と生き物図鑑を見て過ごしました。そして物心ついたころにはお絵かき教室なるものに通っていました。

芸術に関心の深かった母は私を様々な展覧会に連れてゆき、ありとあらゆるワークショップに参加させ、絵画教室に入れてくれました。様々な体験により素材と技法と道具の使い方を知った私はすっかり工作大好きな子供になっていました。母は図工がたくさんある小学校を探して入学させてくれ、中学校も造形コースがある学校を探して入学させてくれました。高校も芸術コースに入り3年生になった時、大学の進路を決めるため美術の中でもやることを選択しなければなりませんでした。その時、私はどちらかというと工芸的なことに興味がありましたが、なぜか油絵を選びました。理由はやったことがないからということ。それが今にまでつながるとは夢にも思わず、、、。そして初めて油絵具を使って描いた自由画ではもうすでにガラスと光、気配とものへの興味が描かれていました。大学では洋画コースに入学し、夜遅くまで制作に没頭しました。

私がKOBE STUDIO Y3に来たのは大学を卒業して2年が経った時でした。その頃の私は大学で本当は描きたいものを見つけていたにも関わらず、先生の作品や言葉に縛られて思うように制作ができず悩んでいました。描くたびにこれではない、という気持ちが強くなっていった私は同じ時期にアトリエに入った川口奈々子さんにポロっとその本音をこぼしました。すると川口さんは「そんなの大学出たんだし好きなものを好きなように描いたらいいんだよ!」と、言ってくれました。その言葉を聞いた瞬間、とても感動したことをよく覚えています。本当に描きたいもの、それは もの でした。幼いころから見ていた風景。誰もいない世界にぽつりと存在する。言葉を語らぬものに話しかける癖のある私にとって語りかけられる時の感覚を絵にしたいと思ったのでした。作品はすべてそんな彼らの様子を一心に描いております。1枚ずつゆっくりとご覧いただけましたら嬉しいです。