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CAPARTY vol.21「第5回 アート林間学校」 感想

辻村マヤ

「おおきな壁にみんなで絵を描こう」〜絵のしりとり〜

「アート林間学校2005」 2日目にあたる午後、なんとも簡単に元気のいいウォールアートが仕上がった。

 “アクト神戸”にちなんで、ちょうどフランスからやってきたオリヴィエ・ウアーの壁画が事前にあったため、1Fリビングルームに入った途端、空間自体アートがすでに始まりそうな様子。楽しい夏休みの中、ライヴ感で筆とペンキは進んでいった。

 室内とはいえ、近くに緑を感じたり、蝉の声にもまれたりしながら、壁で取り掛かれるチャンスはあまりない。そういった、自然付近と広々した恵まれた空間での活声の中、チョコマカ動きあいながらグループで絵を描く、いわゆる“つづき絵”は小さな運動会のようで思いのほかすぐに修了。

 スタッフ・参加者、共々、ブルーシートの上を自由奔放に走り周り、おのずからリーダーシップをとる参加者もいるので、どんどん進む。“絵を描くことが好きな人”を対象に絞って講座を開いたため、年齢にばらつきはあったものの、即興で描くそのスピードには講師(スタッフ)含め驚かされるほどだった。線画で統一する予定にしていたものの、予想のつかない描写になったり、濃厚になったりする場面もあったが、個性の連結で壁画が仕上がった。

 事前準備の予算段階で“集合写真を参加者に配布する”という気配りは不可能割り切ったが、実際作業が早めに済んだので、余った時間に撮影くらいはできた、といった感触だった。「アート林間学校」開催中にCAP HOUSEに出入りする、大人とこどもたちはすぐに目に入り、親しみやすい壁画を見て興味をもっている様子だったので、講師・スタッフ共々喜んだ。

 少し心残りだった点は、参加者が一斉に解散してしまったので、当初の予定の“離れた所から、出来上がりの絵を見てみよう!”といったような、ほのぼのとした談話・ドリンクの時間を持てなかったことだ。参加者の対象年齢をもう少し高めにすると、段取りの説明もうまく伝わりやすかったのでは、と反省しつつも、広がっていくその絵のプロセスが各々の心の中に留まればよいし、壁が残っている林間学校期間中、壁にある絵がおもしろそうだ、という事を単純にとらえてもらい、皆のランチタイム(リビングルーム)に“元気感”がまた雰囲気として伝わればちょっと嬉しい。

といったのが担当の本音でもある。

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