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CAPARTY vol.21「第5回 アート林間学校」 感想

杉山知子

エアー・スカルプチャー(空気彫刻)

一般に「彫刻」と言われて思い浮かべるのは、石や鉄、ブロンズでできた、重そうで頑丈な、ど〜んとした存在感のある立体だろう。でも、ビニール袋に空気を入れて膨らませても立体は立体。軽い、でもすぐ破れてしまうかもしれない、頼りな〜い彫刻があってもイイかもという思いから出たのがエアー・スカルプチュー=空気彫刻だ。第一、空気を抜いてしまえばただのビニールに戻ってしまうところがイケてると思った。イメージとしては完成してたのだけど、実際、ビニール袋を自在な形にして、空気を閉じ込めるとなると、そう簡単にはいかず、様々な材料でテストを繰り返した。結局、家庭用のシーラーが一番密着度があり以外に面白かったので、当日はシーラー3台と、家庭では使われないようなカラフルなビニール袋や傘袋、空気を吹き込む為の手動ポンプを揃えた。今から作るモノはただの浮き輪ではなくて、ビニールで作る彫刻なんだという意識を持ってもらうため、始めに様々な彫刻作家の作品集を鑑賞。後は、自由に好きなモノの形をひたすらシーラーで接着して、ポンプで膨らますを繰り返した。シーラーで一瞬にひっつくビニール袋は子ども達にも好評だったが、単純な形を組み合わせて大きくするというより、複雑な形をいっぺんに作ってしまおうとする子どもが多く、シーラーの使い方で苦戦している様子だった。私としては、空気を入れるだけでいくらでも大きくなるのだから、形にとらわれずにスケールの大きなものに挑戦して欲しかったが、結構、小さくまとまっていたのは残念だった。今回は参加者11人の内8人は小学生だったが、どちらかというと大人の方がハマっていたのが面白かった。

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