CAPARTY vol.21「第5回 アート林間学校」 感想
清原健彦
「熱血エアーギター部」
熱く盛り上がった。快適に冷房が効いた部屋で、質のよい音響設備と照明(ビデオプロジェクターでロックのライブ映像をピンぼけで背景の壁に映写する)が成功していた。少しコツをつかめば容易に酔える【カラオケの展開版】をうまく作る事ができたと解釈する事もできるが、エンターテイメントではなく、ロックという20世紀に誕生した表現に、シリアスに参加するきっかけをもたらしたという点に着目したい。本来魂で実践するようできているロックに、金も地道なトレーニングもたいした知識もなしに参加できるエアーギターは、ロックの本質に近いのではないか。極めてアホな事を大シリアスにやるという、このばかばかしさ。たくさんの人にこの快感を体験してほしい。キャップという場は、上記のようにエンターテイメントとシリアスのすれすれの境界線上で戯れるのを得意としていると思う(それは資産とも言える)。エアーギターはそんなキャップにふさわしい。さらに深化させていい企画だと思う。
(C)2002-2004 CAP HOUSE プロジェクト 特別非営利活動法人「芸術と計画会議(C.A.P.)」