2013年12月23日

12/21 山田さんはやっぱりお茶目だった!

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カフェトーク「by night、光の何パーセント、わずかなお金」
2013年12月21日19:00~ 話者:山田麻美(美術家)/参加無料(要1ドリンクオーダー)

11月の個展「by night」、ライブドローイング「光の何パーセント」、そして制作にまつわる個人的なお金の話を少しだけします。


はい、今日はCAPの共同アトリエで活動されてる山田麻美さんに、作品についてお話ししていただきます。
山田さんはとても小さくてちょこんとしていますが、なかなか質量(体重ではなくて笑)があります。
なんとも言い難い雰囲気を持ち合わせ、そのせいか面白い作品を創り出します。
では、今回3っつのお話しを聞いてみましょう。



まず一つ目は、先月11月の個展「by night」について。
このドイツ語ギャラー名からして何かしら匂います笑
階段を上がればギャラリー入口ですが、表から見るとお洒落なカフェの様です。



これがその入口。
スポットライトが一投。なんか煙った部屋の中を照らしているだけに見えます。
せっかく階段を上がって来ても、ここで帰られる方が居たとの事です。
なにも無く準備中みたいにも見えますね、まあかなり煙ってますが...



そして実際に中に入るとこの様な展示。
確かに煙った部屋にスポット一投落としているだけです。
この光の束を見てほしいとの事。
この状況を作りたかった。
その為の煙。
んん〜、そうですね。
今は少ないかもですが、やたらと煙草の煙で霞んだバーのカウンターのダウンライト。
もしくは懐かしいDISCOなんかでこの様な光を見ていた方、多いのでは。
そんな、わー、青春だぁー!なんて感じでは無く、深閑とした光束を見ましょう。
粋だなぁ〜。



そしてちょっと先にある窓ですが、縁にわずかな隙間を保ってふさがれています。
そのスリットから光の帯が差し込んで来ます。
やはり光の道が煙りによりハッキリと見えます。
こちら自然光なので、時間の経過で変容する様が面白い。
勇気を出して一歩踏み入れば、こんな光景が見えたのになぁ。



こちらもう一つの展示。
この光はどうでしょう。
なんだか分かりにくいと思いますが、四角い透明な容器に乳白色の液体が満たされています。
それを壁に設置し、右横からLEDスポットライトを投光しています。
この液体がミソとの事。
青白い寒色系LEDライトの光が、液体を通過する過程で暖色系の光線になっています。わわっ。
まるで晴天の天空から夕焼けの稜線付近を見ているかの様。
そうです、「そら」を作りたかったとの事です。
でもそれは箱の中だけの想定。
この作品は絵と見立ててたので壁面に設置したところ、壁への反射光が絶大なる効果を発揮したらしい。
なので、もはやこの壁が空の如く見えて面白くなったとか。
よくもまあ、こんなシンプルで楽しいものが作れるなぁ...いやはや。



ちょっと制作秘話として、ギャラリーの換気扇から大事な煙が外へ放出されている!
火事だーーー!って、大騒ぎにならないか、ちょっと心配だったんだって笑



今回2つ目のお話しは、先日Q2で行われた"ライブドローイング「光の何パーセント」"について。
神戸文化祭最終日パーティーがCLUB Q2でありましたが、その時ひっそり行われていた山田さんのライブドローイングです。
その昔、旅客船ターミナルだった石造りの古くて大きな階段の踊り場で行われました。
ぽつんと1人椅子に座り、ノートパソコンを膝に乗せています。
パチパチとプログラムを打ち込む。(ここからすでに始まっています)
それを実行、そして「木漏れ日」の意味を自分のタイミングで打っていきます。
そうすると、プロジェクターでその場に木漏れ日が降り注ぐというものです。
シュールだ!お茶目どころで無かったか!
なんて。
ここでは、その時打ち込み実行していたプログラムの解説をしています。
が、
まったくチンプンカンプン???
って方が多かったのでは無いでしょうか。
いやいや、分からなくても大丈夫なのです。
プログラムだかインタプリタだかオブジェクト指向だか、何が何だかもはや関係ありません。
聞いてみる、ってのが大切なのです笑



3っつ目最後は「わずかなお金」。
山田さんが最近チャレンジしてみたけど、無理が有ったと言うお話しでもあります。
いままで作品の制作費としてのお金はなるべくかけないようにする。
なので、出来上がる作品も小さなものが多い。
シンプルなものが多い。
当然手元にある金額に相当しているとそうなる。
だけど今回はお金を使ってみようと試し見た。
結果、なんだか着地が落ち着かない。
思った様な仕上がりにならない。
なにかがそぐわない。
そして出た結果が、「身の丈」だったそうだ。
今まで特別ケチっていた訳では無い事に気がついた。
その時作りたいものが、それだけの制作費だっただけなんだと。
しかし面白い!
「そこ」ですか笑

おしまい。

鳴海健二 01カフェ日記
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