2009年9月26日

10/23 SHOWCASE#1 「Ryo Kitano Exhibition -slight sight-」

STUDIO Y3の新しい展覧シリーズ「SHOWCASE」が始まります。
最初の作家は、北野諒さんです。
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「CLOCKWISE CLOCK」北野諒

SHOWCASE#1 「Ryo Kitano Exhibition -slight sight-」

2009年10月23日(金)〜11月22日(日)

*10月24日(土) (参加無料)
     17時〜19時 トークショー「作品についてかたること(についてかたること)」  
     19時〜 オープニングパーティー 

作家が作品についてかたることのみならず、作品を見る人(鑑賞者)がどのように作品を考える(かたる)か、ということに注目して、一方通行でない、フレキシブルな対話の場を作りたいと思います。作家に加え、ナビゲーターとして京都造形芸術大学アートプロデュース学科3回生の仁科泰生さんを迎え、刺激的なトークセッションを試みます。

「誰」が作品をかたるのか。「語る」こと。「騙る」こと。かたるという営みについてかたること。
さまざまな「ねじれ」を呼び起こす仕掛けを準備して、皆様の参加をお待ちしています。

【展覧会に寄せて】 (北野諒)
ある曇りの日、久しぶりの休日、と部屋の整理をしているうちにベットに倒れ込んで昼寝をしてしまった。
どのぐらい眠っていたのか、携帯電話の振動で目をさますと、カーテンを引いた室内は薄暗く、
場所を変えようと思っていた壁掛け時計が作業の途中で床に置かれたままだった。

時計の盤面は目盛のみのプレーンなデザインで、文字が配されておらず、
つまり天地左右の区別がつかない。

一瞬、ひどくフワフワした無重力のような感覚を覚える。
情けない事に、今が何時であるか全くわからない。
時計を「どちらからみればよいか」がわからない。

時計を裏返し、裏面の文字の向きを見ることでようやく天地を確認する。
今は4時23分である。

気を取り直し作業を再開する。
しかし、どうも落ち着かない。
言いようの無い違和感を感じる。
メールをチェックしようと、携帯電話の画面を見てその理由に気付く。
既に日付が変わっていた。
今は夕方ではなく朝方の「4時」である。

日常に埋もれたささやかな感覚、何ものかへの予感。
在るか無しかの幽かな光景-slight sight-。
そのようなものと出会いたくて制作をしている。のかもしれない。


●作家略歴

北野 諒 / Ryo Kitano
1985 大阪生まれ
2009 和歌山大学教育学部 生涯学習課程芸術文化コース(彫刻ゼミ) 卒業
2009 京都造形芸術大学大学院 芸術研究科芸術表現専攻(修士課程) 入学
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