2009年11月22日

091118_19 A Multilateral Country Conference and Feasibility Workshop on Public Art as a Step Towards Creative City

091118neoangono_01.jpg
長い名前の会議でありますが、タイトルの通り、創造都市へのステップとしてのパブリックアートの実践可能性ワークショップと多国間会議。。。となるんでしょうか。。フィリピンのリサール州で芸術家の町として知られる「アンゴノ」という町で行なわれた会議に参加してきました。
僕にとってはフィリピンは初めての国です。
いろいろびっくりしましたが、大きなエネルギーをもらった気がします。
11月18日、19日の会議のあと、21日-22日とパブリックアートのフェスティバルがあって、さらに伝統的なお祭り「ヒガンテス」が続きます。

091118neoangono_02.jpg
アンゴノでの移動はジープニーという乗物を使います。
主催者は、アーティストのグループでNeo Angono Artist Collective
共催は国際交流基金のマニラ支部です。
会議は、予定されていたところが台風による洪水でまだ利用できないため、急遽変更になり、University of Rizal Systemという大学での実施となりました。

091118neoangono_03.jpg

若い!彼女たちは会場となった大学の学生ボランティアです。会議のエスコートなどいろいろとがんばってました。
若い人達がこういう場面に関わって、上の世代の人達と仕事をして行く。
こういう挑戦を積極的にしてゆくのは、本当にすばらしいと感じました。
外見よりみんな大人です。

091118neoangono_04.jpg
これが会場となった大学キャンパス玄関。
091118neoangono_06.jpg
これが、会議場、、、というか教室で、2日間の会議が行なわれました。

フィリピンの印象は、「とにかく音が沢山あって、それぞれの音がでかい!」ということです。
学校のフェスティバルが同時にあって、この教室の外ではバンドが演奏してたり、また前の通りの交通の音が半端ではない。
日本の暴走族は多分、ここにきたらまったく目立たないでしょうねー。
朝も6時ころから道路で集会してるのかというくらいの音量だったので「これはお祭りの準備でこんなにうるさいのか?」と聴いてみたところ。。。
「ええ〜〜??これ普通っすけど〜」とかいうことでした。
091118neoangono_07.jpg
大阪市立大学の佐々木雅幸先生の発表「創造都市と生活の質」。
佐々木先生は創造都市研究の専門家です。
この会議全体のコア部分のお話をされていました。
日本からは、佐々木先生。それから、Q2でもダンスしてくれたことのあるジャワダンサーの岡戸香里さん。
そして何故か僕も一緒に行きましたが、、、なんでだったのかなあ?
091118neoanngono_05.jpg
ちょっと写真がボケました。すみません。
美しい人だったんですが、ぼけて残念です。
インドネシア、ジョグジャカルタから参加のパフォーマンスアーティスト、ARAHMA IANIさんです。
偶然なんですが、ガムランエイドが招聘し、アート林間学校やマンディサマサマで一緒に活動した、オン・ハリ・ワフユさんと仲良しで、今年のジャカルタのビエンナーレを二人でキュレーションしているそうです。
091118neoangono_08.jpg

「検閲と知的財産権〜」とか、わりとハードな話題があるかと思うと、そんななか、ジェス・サンチャゴさんという音楽家はPeople's Musicという社会と音楽の関わりについての自分の活動をDVDで紹介し、さらに歌も歌ってくれました。
すばらしい音楽でした〜。日本にも来たことが何度かあるそうですよ。
091118neoangono_09.jpg
ぼくは11月20日に帰って来てしまったので、ちゃんと見学できませんでしたが、これはパブリックアートフェスティバルの参加作品で、町中の川の上に浮かぶ家です。
先日の台風による洪水をモチーフにしているとか。
「先日」と書きましたが、もっとも被害のひどいところは未だに腰まで水があるそうです。
091118neoangono_10.jpg
フィリピンを発つ日、11月20日の朝に、フェスティバルの開会式がひっそりと行なわれました。
この方はNeo Angonoの創設者で今回の国際会議のディレクター、Richard Gappiさんです。
詩人、と聴いてたんですが、なんと大学でジャーナリズムを教えたりしつつ、市長のスピーチライターがメインの職業です。
この場所はそして、お墓なんですよ。(だからひっそりとね。)
Carlos V. Franciscoはフィリピンの国民的芸術家。
国民的芸術家たちは普通マニラに埋葬されてしまうらしいのですが、「生地のアンゴノに埋葬してくれ」、、と本人の希望があって、ヴォトン・フランシスコの墓は故郷にあるわけです。
そしてANGONOは芸術家の町ですから、大物芸術家のお墓が多いんだそうです。
で、墓地で開会のスピーチなんかしてるんですね。
091118neoangono_11.jpg
これが墓地の入り口から奥を見たところ。
左の平べったく並んでいるのはお墓です。
この景色、日本のお盆の墓参りのようでもあります。

091118neoangono_12.jpg
空港に向けて出発直前に。。。。
一番にぎやかな市場の屋上でオープニングのパフォーマンスが始まりました。
ANGONO PUBLIC MARKETという看板に、黄色と青のレインコートマンがスプレーを吹き付けはじめました。
091118neoangono_13.jpg

向いの店先から撮影していますが、狭い!
車にひかれそうです。
091118neoangono_14.jpg
赤いシャツの人物はNeo Angono Artist Collectiveの代表者でWire Tuazonさん。
何故か始めた会った気がしない、、、、、と思っていたら改修前にCAP HOUSEに行きました、と。
藤本さんに案内してもらいました、、と、いうことですが、そういわれて思いだしました!

これまでいつもこのパフォーマンスでオープニングを飾っているそうです。
「ANGONO PUBLIC MARKET」が
「NEO ANGONO PUBLIC ART」に変わって行きます。
パブリックアートが公設市場に取って代わるということですね。

そういえば、彼らのやっていることっていわゆる「パブリックアート」なんだろうか??
と言う疑問がずっとあったのですが、、、、、、、

グローバル経済によって激しい格差社会が生まれ、共同体が崩壊していくなか、作品だけではなく、実際に開催するかどうか、どこを使うか、何をして行くのか、、などということまで含め、市民が協力するのではなく、コミットすることになる。。。
こういう彼らのやり方を見ていると、街角を装飾する彫刻などは、パブリックアートではなく、逆に実生活上の問題を浮き彫りにしたりするこういった活動がパブリックアートと呼ばれても良い、そしてそういうことを通じて資本の原理優先で動いて来た「グローバル都市」から脱却して、もしかすると創造産業が集積する町、つまり「創造都市」というものが生まれる機会になるのかもなああ。。。。
なんせ、アンゴノは芸術の町ではなく、芸術家の町で、市民はそのことを誇りにおもっている、それがアンゴノ市民のアイデンティティですから。

今回の会議のタイトル、「創造都市に向けてのパブリックアート」というイメージがやっと浮かんできました。
C.A.P.のプレゼンテーションをさせてもらったのもそんなに悪くなかったのかもしれないなあ、、、、とちょっと思いました。

shimoda 01Y3日記
コメントしてください