2009年12月15日

12/13 藤枝守+砂原悟〜クラヴィコードの植物文様

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12月13日、日曜日の午後に作曲家、藤枝守さんの植物文様シリーズを、砂原悟さんのウラヴィコードで聴く演奏会、そして音律に関するレクチャーを行ないました。
この写真は海外移住と文化の交流センター、元の旧神戸移住センター、あるいは未だにCAP HOUSEという方が通りがよいかもしれませんが、その建物の5階の講堂です。
窓のすぐ外は山本通。
クラヴィコードは小さな音の楽器なので、車の騒音等が心配だったのですが、スピーカーやアンプなしで完全生音のコンサートでした。
照明もほぼ、演奏者の手元灯りのみ。
南に向いた窓を通して、午後の陽の移り変わりを感じながら、そして時々聴こえる車の音や神戸港の船の霧笛など、環境を取り込んでしまうすばらしいコンサートでした。
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演奏に先立って、作曲家の藤枝さんから、かなり詳しい音律のレクチャーがありました。
昔、松蔭の平島先生という方が、バッハの平均律クラヴィーアの「平均律」はピアノの12音平均率とは違うものだ、、と著書に記し、当時の音楽界にセンセーションを巻き起こしたとか。
神戸は音律に関わりのある土地だったのです。
藤枝さんが紹介している箱は、一種の自作モノコードです。
モノコードはピタゴラスが音律を考えるのに用いたと言われていて、一つの(モノ)弦(モコード)の長さを整数比で分割し、別の音程を導き出すという事をしていました。
この日は、実際に音を出し、弦の下に駒を置いて行って別の音程を導く実験をしました。
小さい数字(1:2、2:3など)から始めて行って、順次現れる音程の関係が面白かったですね。
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演奏家の砂原さんも楽器の説明や音律の話しをしてくれました。
なお、後ろに写っているスピーカーは、お話し用に準備したもので、演奏には一切使いませんでした。

クラヴィコードの演奏は、予想通り小さな音でした。
しかしこの小さな音の、繊細な音色、、によって耳が(識域が)どんど広がって、どんどんいろいろな音がしている事に気がついてゆきました。
こうして開かれた耳には、車の音も船の霧笛も、音楽同様の詩的な音として捉えられて行くというのが、とても面白い体験でした。
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クラヴィコードは、ピアノともチェンバロとも発音方法が違い、打鍵後に金属片が弦を押し続けるそうです。
なので歌のように、発生後の音のコントロールも演奏家がある程度できるとか。
例えば微妙なビブラートがかけられます。
ニュアンスの楽器ですね。
また、なにかこのような音楽会を是非実現させたいと思います。
ご来場いただいたみなさん、どうもありがとうございました。


shimoda 01Y3日記
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