2010年8月13日

第9回アート林間学校2010 終了いたしました! その2

第9回アート林間学校は、7月31日よりはじまり8月8日まで行なわれました。講座数は全部で27講座を予定しましたが、このうち大人向けの2講座は応募が無かったため中止となり、25講座を実施。
特集講座として「コトのはじまり」というくくりで6講座を設け、また大人向けに9講座を計画(実施は7講座)しました。
さて、写真で紹介するレポートの続きです。8月6日の夜の部、大人講座の「夜景を描く」から残り8講座の様子をお知らせします。

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夜景を描く  8/6(金) 担当講師:上村亮太(美術家)
担当の上村さんは、以前から自分のアトリエなどで夜景を描くワークショップを行なっていたため、非常にスムースな講座運びでした。夕方6時から5階のホールに上り、まだ明るい南の景色を眺めます。市役所や国際会館、ちょっと西にはポートタワー、その向こうに海が見えます。
みなさん南の窓辺に席をとり、自分の好きな道具で描きはじめます。
日が暮れるのは早いもので、夕焼けから夜へ、描いているうちにどんどん見えなくなって行きます。
終了は9時すぎ。それぞれに集中して夜景を眺め、絵を描きました。
夜景はどこでも描けるかもしれませんが、3時間連続で集中できる機会は貴重だったと思います。

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超簡単!ブーメランを作ろう  8/7(土)  担当講師:的場健太郎(CAP営繕部長)
実際はこの講座、半分以上の時間は「ブーメランを投げよう」になりました。
紙で作成したブーメラン、男の子達はちょっと作って後は投げまくりです。
なかにはどんどんブーメラン投げが上達した参加者もいました。投げ方のこつなんか、ぼくも教えてもらっちゃいました。
一方、女子はブーメランに絵を描いたり色を塗ったり、生産関係に終始勤しむ姿が、男子と好対照です。
この講座も3時間の長丁場でしたが、たくさんの参加者、それぞれにブーメランの魅力を満喫した模様です。
一方、担当講師:的場君の大人講座「ブーメラン・ブーメラン・ブーメラン」は申込みが無く中止となり、同じブーメランの講座でも明暗はっきり分かれました。まぼろしの大人講座「ブーメラン・ブーメラン・ブーメラン」は、紙ではなく木材や樹脂などいろいろな素材でブーメランをつくるという、2ランクは上の上級講座になる予定だったのですが、、、、やっぱり思いっきり投げられないとダメなんでしょうか。
木のブーメランを作って、ここで思いっきり投げ合ったら、、、やっぱりちょっと過激ですね。血なんかでちゃいそうですね。
来年度のための教訓とします。

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土偶土器作り  8/7(土)  担当講師:中村由紀子(陶芸作家)
この講座は、特集講座<コトのはじまり講座>のひとつでした。最初に土偶と土器の写真資料等見ながら、これらのコンセプトを把握してもらいます。
このあとは写真を模倣してつくるのではなく、コンセプトを理解した上でオリジナルの土偶や土器を作って行きました。午前中は土偶、そして午後は土器を粘土で作って行きます。
なかなか魅力的な作品が勢揃いしました。結構みなさん、立派な古代人になれる素質があったようです。
あ、でも、古代にはこんなテーブルとかプラスチックのうつわとか、ましてや携帯電話とか無かったんですよね。そこんとこ認識して謙虚にならないとね。そこらへん考えると、道具も設備も今と全然違うのに、、、やっぱり古代人はすごい創意工夫家だったんでしょうね。
講座は終了しましたが、講師の中村さんはこれから焼成です。電気の窯で焼き締めます。
みんなー、もうすぐ焼き上がるからね!


プラズマ!  8/7(土) 担当講師:坂井良太(美術家)
この写真で見えるでしょうか?淡い紫色に発光している部分がプラズマです。
担当した坂井くんは物理が大好きな絵描きです。つまり絵描きであって、物理は大好きなだけ、ともいえる訳です。彼は、この講座の準備期間、なんども試行錯誤を繰り返し、挫折を味わい、心身ともにどん底状態にも陥り、たぶん涙で枕を濡らした夜も数えきれなかった、、、かもしれません。しかしそこから何度も這い上がって来た坂井くんに拍手を送りたいと思います。
車の解体屋さんからイグニションコイルを譲ってもらい、電子パーツを買い集めて行なった最初の実験では、見事に感電したそうです。自分で人体実験ですね。
「下田さん、心臓バクバクいいましたー」と笑いながら途中経過を報告してくれたのですが、なかなか安定的にプラズマ発生させられる小さな装置を設計・作成できません。しかし、機械のことよりも受講者が感電して倒れないのか?という不安を抱いたのは僕だけだったのか?本人は「感電したけど平気でしたー」とかいって、講座用の回路の改良を続けています。特に物理学的な根拠は無いんですが結局電池を使うことになったため、とりあえず僕は安心しましたが、、、、「ブーメラン〜」担当の的場くんや、「美しいノイズ〜」の坂出さんにも貴重なアドバイスを受け、そのアドバイスの話しがまた面白すぎるんですが、ここでは紹介する余裕はありません。まあ、なんとかかんとか、準備が間に合いました。この講座、参加者全員が回路を組み立て、マイ「プラズマ発生装置」を作り、見事に放電し、これを持ち帰ることができたことは、大変感動的なことだったのですが、実はこの準備の過程でもこんなドラマがあったのです。来年の教訓としたいとおもいます。

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トミー先生の夏休み複製講座  8/8(日) 担当講師:富久明俊(CAPプラモ部部長)
この講座は本来8月1日と8日と2日間行なう予定だったのですが、7月末にトミー先生がぎっくり腰になり、急遽8日に集約して実施することになりました。8月1日の受講予定だったみなさんにはご迷惑をおかけしました。申し訳ありません!
トミー先生、ぼくのぎっくり腰がうつったんでしょうか?申し訳ありません!
ぎっくり腰のトミー先生、スタッフのみんなに支えられ8日の講座はご覧の通り無事実施することができました。お湯で柔らかくしたかたどり用の素材に、原型になるいろいろなものを押しつけ、冷えてから型を剥がして、そこにエポキシ樹脂を流し込んで複製を作って行きます。
写真の洗面器に熱湯を入れて割り箸でかたどり素材を柔らかくして行ったのですが、その光景はまるでみんなで真夏にしゃぶしゃぶを楽しんでいるかのような和やかさ。
しかしそのあとのエポキシ樹脂の臭いことといったらありません。子供達は「くさいー」と言って逃げ惑い、スタッフたちが窓を開け、樹脂を流し込む作業を代行したのでした。
とはいえ、匂いはすぐに消え、型からはずすと複製ができています。次回は「くさいー」と言われないようにする、という課題を残しつつ、この講座も無事終了。

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渦巻き研究所  8/8(日)  担当講師:中村由紀子(陶芸作家)
陶芸作家らしく、手回しろくろを使って着色した砂で渦巻きをモチーフにした砂絵をつくる、という講座です。ろくろが回転するので鉛筆をスッと置けば真円が描けるという道理ですが、この感覚がなかなか身体に馴染むのに時間がかかった模様。
参加者のみんなは、ろくろがまわっているのに何故か自分の手も回したりして、摩訶不思議な文様ができてしいます。しかし、何度か繰り返すうちに要領も飲み込めた様子です。
午前中は砂に色をつける作業をおこない、昼食を挟んで紙に描いた文様に糊を付け、色の砂を落として、さらにろくろに載せて回転させながら次の糊を乗せて、さらに別の色の砂をかける。この繰り返しでどこかの伝統産業のような砂絵が描けました。

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色面から風景へ  8/8(日)  担当講師:田中美和(画家)
3時間、ひたすらキャンバスに向かい合った参加者のみなさんでした。講座を行った場所は講師の田中美和さんのアトリエです。大きな抽象画が部屋一杯にあるところに、キャンバスを並べてさらに参加者のみなさんの絵が広がって行きました。

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弘法もびっくり!筆つくり  8/8(日)  担当講師:杉山知子(美術家)
いよいよ今年のアート林間学校最後の講座です。<コトのはじまり講座>の一つとして実施しましたこの講座では、筆をつくりました。
講座を思いついた当初のミーティングでは、動物の毛とか人間の髪の毛とかで筆を作ったらどうよ?え、さらに墨もつくっちゃったりして、、、という具合に盛り上がって行ったんですが、調べてゆくうちに、まず墨を作ることがどれだけ大変かをいうことを知りました。あれって大変ですねー。煤を集めてにかわで煮るんですってね。ということで墨作りはやめました。
で、筆なんですが、毛を揃えて縛っていくのがこんなに難しいことだとは!CAPのメンバーの中にもこの講座のために、暑いのに髪を切らずに伸ばしていた人もいたようですが、これも「ちょっと無理じゃないの」ということになり、しかし、筆をつくる講座はすでにやることに決まっていましたので、「じゃあどうするのだ?」という過程に無事?進んだのです。床屋にも行けました。
しばらく後、担当講師のすばらしいアイデアでこの難しい問題は解決しました。竹を叩いて叩いて叩き切って、繊維をバラバラにして穂先のようにして筆をつくる、という方法をとったのです。ほかにもビニールひもをばらして穂先を作る、とか、笹の葉を縛って穂先にする、とか行ないましたが、メインは「叩く!」ということになり、誠に原始系の<コトのはじまり>にふさわしい講座となったのです。
できた筆は早速筆おろし。
おどろきました。この筆で書くとだれでも名人のような味わいのある字が書けるのです!商品化したらいいんじゃないか?と思うくらいのアイデアでした。ただ、普通の上手は字はなかなか書けないのですが。
問題は、みんなで叩きまくるので音がうるさい。一方で古代のシャーマンになったような、ある意味、的を得た<コトのはじまり講座>とも言えるでしょう。トランス状態から覚めると筆ができている!
今年のアート林間学校、来年への教訓をたくさん得ることもできました。すばらしい参加者のみなさん、そして根性をみせてくれたスタッフの面々、みんなよくがんばりました。
また、みんなの昼ご飯を担当してくれたノマドの足立陽子さん、ありがとうございました。足立さんは今月末に料理教室も開催します。というわけで、来年のアート林間学校はさらにパワーアップするかもしれません。
参加してくれたみなさん、また来年も会えるといいですね!
shimoda 01Y3日記
コメント(2)

今年に入りCAPHOUSEを知って楽しく通って?ます。
ほの香は、CAPのスペースにいると本当に生き生きしていて、私も楽しい!!!
今回は、私の希望ではなくほの香の希望講座を受けました。筆もブーメランも満喫しましたよ!やってみたいことがあったら、希望出そうかなあ?
家中、CAPで制作した作品でいっぱいです!粘土クラブの作品を飾る”棚”も原夫妻に作ってもらいました。
また、9月にも遊びに行きます!
(ほの香の写真をいつもアップしてくれてありがとうございます。ばあばにも見せられます)

受講した2講座「モノコード」「色面から風景へ」、
どちらもなかなかできない貴重な体験をさせていただきました。
ありがとうございました。
「音律」の続き、期待しております!

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