2013年10月13日

11月のCAPTURE:CAP STUDIO Y3 秋冬の短期レジデンス


CAP STUDIO Y3の公開アトリエでは、3ヶ月短期レジデンスプロジェクトを実施しています。この秋冬も二人のアーティストを迎えました。乙仲のギャラリー301からのご紹介でカナダ人のペインター、アトウッドさんが9月から。そして版画の技法で作品を作っている芳木麻里絵さんが10月からそれぞれ3ヶ月を過ごします。
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デイヴィッド・アトウッド(David Atwood)403号室

カナダのモントリオールで1972年に生まれました、デイヴィッド・アトウッドといいます。日本に来たのは10年前で、去年の4月に神戸に引っ越して来るまでずっと長崎に住んでいました。
私は、周囲の世界に対する自分自身の反応に興味があるんです。自分がどう反応しているかを見て、捉えて、そこからさらに表現すること。私にとってはそれが一番おもしろいことなんです。



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私の絵の描き方はちょっと独特かもしれません。まず、同時にいくつものカンバスをならべて、大きな一枚の画面に見立てておいて素早く描く。この時はできるだけ自然に、直感的に筆を動かします。そのあとで、今度はひとつひとつのカンバスに戻し、それを眺め、それに足したり引いたりしてそれぞれ一枚ずつ作品を完成させてゆきます。つまり、自分が直感的に描いたもののパーツを眺め、そこから出発して完成させていくわけです。



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私は、長い間、風景や天候、建造物などをヒントに、カンバスに自分がつけた筆の痕跡などの、自分なりの見立て方を発展させてきました。最近はだいたいカンバスにアクリル絵の具で制作していますが、コラージュや水彩、ドローイングや小さな紙の立体なども制作しています。C.A.P.のアトリエでは、自分のスタイルをもっと大きなサイズの絵画でやってみようと思っています。そうして世界に対する自分の思考や感情を視覚的に表現していくことを続けたいと思います。








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芳木麻里絵 402号室

普段はシルクスクリーンという技法を用いて制作をしています。Tシャツやポスターなどのプリント方法として知られていますが、私は何百回もインクを刷り重ねて、平面作品ではなくオブジェに近い作品を制作しています。



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飴の包み紙から、伊万里焼きのような骨董品まで気になったモノ、手にしたい質感のある様々なモノをモチーフとして、スキャナーでパソコンに取り込んだり、写真で記録収集します。パソコンの画面に取り込まれたモチーフをシルクスクリーン用の版に分解して、インクを何層も重ね、再構築するのですが、二次元から三次元に移行していく過程も面白く、自分の手にすることができた安堵とともに収集癖が満たされます。



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モチーフとはズレが生じますが、実際に手にしたい姿や存在を想像して制作するのであって、元のモチーフを再現しているわけではありません。
C.A.P.には陶芸工房があります。昨年、ねんどクラブで陶芸を教えていただき、普段手にしない素材で作品を作りあげることの不自由さを体感しました。ちょうど、普段の制作が自分の予測の中で出来上がることに嫌気がさしていたので、上手くいかないことや完成が見えないことが面白く新鮮でした。
短い期間なのでどのような成果がだせるかはわかりませんが、不自由であることを楽しみながら、手にしたい形をイメージして制作に挑めたらと思っております。

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11月の予定
2(土)デイヴィッド・アトウッド アトリエ・トーク【要予約】
18:00~/参加無料(要1ドリンクオーダー)
作品についての話とパーティーを開催します。ぜひお越し下さい。


Takahashi Satoko 03イベント
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