2014年3月30日

4月のCAPTURE:C.A.P.は今年で二十歳。

tomoko20th.jpgC.A.P.は今年で二十歳。 
C.A.P.代表 杉山知子

C.A.P.がスタートして今年で20年目を迎えます。
正直、こんなに長く続くとは思っていませんでした。
大きな目的もなく、ただ、なんだか面白くなりそうな方向へプラプラと歩んできたら20年にもなっていたというのが本当のところでしょうか。



1994年9月に旧居留地の私のアトリエに11人のアーティストが集まったのがコトのはじまりでした。神戸市の美術館構想に対してアーティストの意見が聞きたくて集まってもらったものの、社会への批判や愚痴、不満の応酬。これでは前に進まないからということで、自分たち美術家からの提案として「これからの美術館」をまとめることになりました。それがきっかけで、月1回ミーティングを開くことにし、集まりにC.A.P.(The Conference on Art and art Projects)と名前をつけました。まず手始めに旧居留地で何かできないかと考え始めて間もなく、阪神淡路大震災に遭遇。しかし、それがC.A.P.の好奇心を一気に加速させたようにも思います。95年、街全体を美術館にする「旧居留地ミュージアム構想」の提案とフランスからの支援金を元に開催した第一回目のCAPARTY(CAP+ART+PARTYの造語)。その後、サポーティングメンバーシップを開設して、神戸市内の多くの企業、個人の方々から活動資金を集めました。それを元に、神戸・北野町〜旧居留地エリアでのCAPARTYの開催、そして99年には現在のC.A.P.の形をつくるCAP HOUSEプロジェクトへとつながっていきました。街の人との交渉や、行政との話し合いに説得、お金の計算など、アートとはほど遠く、面倒なこともたくさんありましたが、作品を作っているだけでは経験できない貴重な時間を過ごしてきました。「アート林間学校」「CAP ART MARKET」などのCAP看板企画も生まれ、多くのアーティストとの出会いもありました。2007年CAP HOUSEプロジェクトの終了とともに、港・Q2への引越し。09年からの指定管理業務とSTUDIO Y3プロジェクトなどなど。ざざっと書き出してみても、やっぱり20年間にはたくさんのことがありました。
あんなこと、こんなことと、いろんなことを手がけてきましたが、とにかく自分たちが楽しいと思うことを、できることからはじめてみること。そのひとつ一つの積み重ねが今のC.A.P.なんだとすれば、それはとてもうれしいし、誇らしいことだと思っています。


さて、二十歳というと人だと成人式。ああ、やっぱりおめでたいね!ということで、取りあえずこの20年間をCAPERの紙面で振り返ってみることにしました。といってこれまでにやってきたコトを並べて書いていくよりは、その時々に一緒に考えた人、楽しんだ人、出会った人に登場していただく方が、C.A.P.らしいのではと思い、来号から「capture」に替わって「トモコの部屋」と題して毎月ゲストをお招きして話をすることにしました。1年間を通して「人」との関係から二十歳を迎えたC.A.P.がぼんやりと見えてくれればと思います。

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<予告>
5月のお客さま:1994年、アトリエTomo'sに最初に集まった11人のアーティストのひとり、C.A.P.メンバーの藤本由紀夫さん
Takahashi Satoko 03イベント
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