< 前の7件 | HOME | 次の7件 > |
2014年8月23日
アート林間学校2014写真レポート_7/30(水)よっかめ
笑顔あり、笑いあり、時には涙も...!?子どもも大人も大奮闘!!アート林間学校2014の様子を日にち別にお届けいたします。
■7/30(水)よっかめ
9:「1000枚絵を描く」何度も言うようで恐縮ですが、アート林間学校の講座は子供だけではなく大人が楽しめるものもたくさんあります!どの講座に人気が集まるか、毎年本当に予約開始日を迎えないとわからないもんなんです。「1000枚絵を描く」もふたを開けてみたら参加者は大人ばかり。丸一日ひたすら絵を描く孤独な戦いが始まります。
講師 : 柴山水咲(美術家)
日時:7/30(水)10時〜18時
対象 :小学3年〜大人
講座時間は8時間。単純計算で一枚30秒弱のペースで描いていかないと間に合いません・・・お昼ご飯を食べる間も惜しんでひたすら描く!描く!!
時間も少し延長して、最後はみんなで鑑賞会。あの手この手でほとんどの参加者が1000枚描ききっていました。疲れさまでした!!
10:「第1回 Y3ボウル!」
講師:築山有城(彫刻家)
日時:7/30(水)11時〜16時
対象:小学生~大人
CAPきってのスポーツ大好き!講師の築山さんと新しい球技を作ります。でも、新しい球技ってナンダ!?はじめはやわらかいボールと丸いコートを頼りに身体を動かします。
身体もチームワークもあたたまったところで、どんな球技ができるか考えます。会場内にはヒントになるものがたくさん用意されていました。
身体もチームワークもあたたまったところで、どんな球技ができるか考えます。会場内にはヒントになるものがたくさん用意されていました。
最終的にはテーブルなどでできた橋にボールを転がすスポーツが完成しました〜!
絵を描いたり、工作をしたりする講座とは違い、その日初めて出会ったお友達とひとつのモノ(スポーツ)を作る。大人でもなかなか難しいことに、みんな一生懸命取り組んでいました。夏休みの貴重な体験になったネ!
結婚とはなんたるか、その心構えは、、、講師の気迫にやや押され気味の小学生男子。
ひととおり話を聞いたところで、しかるべき時に備えまずは粘土で指輪作り。
絵を描いたり、工作をしたりする講座とは違い、その日初めて出会ったお友達とひとつのモノ(スポーツ)を作る。大人でもなかなか難しいことに、みんな一生懸命取り組んでいました。夏休みの貴重な体験になったネ!
11:「プロポーズ大作戦〜小学生の僕からの贈り物〜」「対象:小学生男子のみ」という時点で、参加者が集まるのか!?と物議をかもしていたプロポーズ大作戦。こちらもふたを開けてみたら2名もの勇敢な参加者がおりました。迎え撃つ講師はまだまだ新婚!?の中澤さん。一体どんな講座になるのやら・・・
講師:中澤雅子(陶芸家)
日時:7/30(水)13時~16時
対象:小学生男子
結婚とはなんたるか、その心構えは、、、講師の気迫にやや押され気味の小学生男子。
ひととおり話を聞いたところで、しかるべき時に備えまずは粘土で指輪作り。
そしてプロポーズする相手を想像しながら手紙を書きます。いや〜この手紙がね、今の自分のまっすぐな気持ちがいーっぱい詰まっていて泣かせるんですよ!講師の中澤さんしかり、通りがかりの淺野さん(いろんなかたちの雪をお部屋に降らせましょ*の講師です)しかり、涙なしでは最後まで読むことができませんでした。
完成した指輪と手紙は缶に入れて封印しました。いつかの未来、必要な時が来るまで大事にとっておいてね。
12:「ぶちまけよう!」タイトルの通り、小麦粉と色紅を溶いたドロドロの液体をケチャップなどの容器に入れてぶちまけますよー!!ストレス発散!?体当たりなこの講座も大人気ですぐに定員に達してしまいました。
講師:梶山美祈(美術家)
日時:7/30(水)14時〜16時半
対象:小学生
まずは小麦粉と色紅を溶いてドロドロの液体づくり。水で溶いた時にダマができないようザルで粉をふるいます。ぶちまけるまでの道のりには意外にも丁寧な作業が続きます。
カラフルな小麦粉絵の具ができたらさっそくぶちまけます!子供達も普段はなかなかできない体験に大はしゃぎ。
最後の最後はこんな姿に。。。ぶちまけるスペースもなくなって、子供同士で小麦粉絵の具を塗り合いっこになっていましたよ。楽しかったね!!
講座ではないんですが、、、7/27、29、30の3日間、3F広場で「恋愛まんが文庫3days」を開催していました。恋愛モノ限定でマンガを持ち寄り、ひたすら読み続けるだけなのですが、、、そこはめくるめくトキメキの世界!!主催の井ノ岡さんはもちろんお迎え待ちの親御さんたちも加わって、静かにマンガの世界に浸る老若男女の姿が見受けられました。
いつかめに続きます。
2014年8月21日
アート林間学校2014写真レポート_7/29(火)みっかめ
笑顔あり、笑いあり、時には涙も...!?子どもも大人も大奮闘!!アート林間学校2014の様子を日にち別にお届けいたします。
■7/29(火)みっかめ
7:「いろんなかたちの雪をお部屋に降らせましょ*」まっ白な紙で自分がイメージする雪のかたちを作って、あつーい夏も涼しく過ごせるような雪の世界を作ります。
講師:淺野夕紀(美術家)
日時:7/29(火)13時〜16時
対象:小学生〜大人
雪といえば、どんなことをイメージするかな?まずは言葉にして、それを頼りに自分がイメージする雪のかたちを作りました。
雪のかたちを作ったら、白い糸でまっ白な部屋にどんどん吊るしていきます。高いところの作業は危ないから講師の淺野さんと一緒にね。
最後はみんなで鑑賞会。寝転がってみると本当にまっ白な雪の世界にいるようです。いろんなかたちの雪ができたね!
林間学校期間中(〜8/3まで)はお部屋も開放して、訪れた人に雪の世界を体験してもらいました。
林間学校期間中(〜8/3まで)はお部屋も開放して、訪れた人に雪の世界を体験してもらいました。
8:「夏野菜絵画」
講師:かぱ(画家)
日時:7/29(火)13時〜16時
対象:幼稚園〜小学生(未就学児は保護者同伴)
昨年に引き続き、かぱさんのお絵かき講座です。大人気で定員に達してしまい、キャンセル待ちも出るほどでした。
今回の色んな画材を使って夏野菜に挑戦です!まずは和紙に墨で描く空想の夏野菜。鉛筆や絵の具とは異なる描きごこちに悪戦苦闘中・・・
今回の色んな画材を使って夏野菜に挑戦です!まずは和紙に墨で描く空想の夏野菜。鉛筆や絵の具とは異なる描きごこちに悪戦苦闘中・・・
次は本物の夏野菜を見ながら絵の具で自由に描きます。夏の太陽をいっぱい浴びた野菜は色も鮮やか。真ん中のうすい緑色の野菜は白ナスなんだとか
上手に描けたね!
最後は赤・青・黄の三原色をつかってスイカを描きます!・・・というところで、本物のスイカが登場!五感をフル活用してスイカ描きに挑戦です。もちろんスイカはみんなでおいしく頂きました。
上手に描けたね!
最後は赤・青・黄の三原色をつかってスイカを描きます!・・・というところで、本物のスイカが登場!五感をフル活用してスイカ描きに挑戦です。もちろんスイカはみんなでおいしく頂きました。
よっかめに続く・・・
2014年8月17日
アート林間学校2014写真レポート_7/27(日)ふつかめ
笑顔あり、笑いあり、時には涙も...!?子どもも大人も大奮闘!!アート林間学校2014の様子を日にち別にお届けいたします。
■7/27(日)ふつかめ
4:「一文字巨大書道」自分の漢字一文字を大きな紙に書きます。もちろん、一発勝負!!
講師:ヤマダヨーコ(パフォーマンスアーティスト)
日時:7/27(日)10時〜12時
対象:小学3年~大人
講師のヤマダヨーコさんが事前に参加者のいろんな名前の漢字を調べておいてくれたので、まずはそれを見ながら絵筆で練習。習字の筆とはまた違った筆運びに悪戦苦闘しています。
高校の部活動なんかでは「パフォーマンス書道」として親しまれているようで、専門の道具を扱っている業者もあるんだとか。今回ヤマダさんが用意してくれたのももちろんパフォーマンス専用の筆です。みんな他の受講者が見守る中、迷いのない豪快な筆さばきで一文字を書き上げます。
最後は拇印の代わりに手のひら(てっついと呼ぶのでしょうか!?)でハンコを押したら完成です。みんなカッコいい文字が書けましたね!!!
6:好きな色のコサージュをつくろうCAPでも藍やコーヒーなどいろいろな染めのワークショップを開催していますが、染めは手間も時間もかかる根気のいる作業です。今回は化学染料で布を染めてオリジナルコサージュを作ります。
講師:本宮鈴子(染織家)
日時:7/27(日)13時〜17時
対象:小学3年〜大人
鮮やかな色になるように染めの行程は2回繰り返します。写真は定着液を塗っているところです。化学染料だけでは色落ちしてしまうので、定着液をつけて時間をおくことで色落ちを防ぎます。
輪ゴムで絞って模様が出るようにしたり、染料を混ぜてみたり、色んなアイデアが出てきます。持参した布なんかとも組み合わせて自分だけのコサージュを完成させました(完成写真を撮り逃してしまいました、、、残念です。)
輪ゴムで絞って模様が出るようにしたり、染料を混ぜてみたり、色んなアイデアが出てきます。持参した布なんかとも組み合わせて自分だけのコサージュを完成させました(完成写真を撮り逃してしまいました、、、残念です。)
27:復刻講座_「石鹸うなぎを作ろう!〜ヌルヌルするよ☆」(2012年実施)[2回 連続受講]2012年に開催された講座の復刻版です。当時は予約殺到!!かと思いきや、開催当日に相次ぐキャンセルで受講者は1人となってしまったそうです。今回はそんなことになりませんように・・・とドキドキしながら当日を迎えました。
講師:JOE(美術家)
日時:7/27(日)13時〜16時、8/2(土)13時〜15時
対象:小学1年〜大人
まずはうなぎの生態観察です。本を見たり、うなぎパイの歌を聞いたりしながらスケッチ中。
粉石鹸と墨をまぜてよーく練ります。この時にはちみつを加えるとしっとりするのよ、と講師のJOEさん。はたして、本当なのか、、、効果のほどは2回目にわかるのでしょう。石鹸の粉は吸い込んだりすると危ないのでみんなマスク着用中。
スケッチしたうなぎを見ながら、目や背びれまで本物そっくりになるように作ります。1回目はこれで終了。一週間よく乾燥させて、今度はプールに浮かべて遊ぶぞ〜!
28:復刻講座_「身体のいうことをきいてみよう」(2001年実施)3つめの復刻講座は2001年の「身体のいうことをきいてみよう」です。これも前回の写真を引っ張りだしてみて見ると、あつ〜いCAP HOUSEのなかでストレッチらしきことをしている様子が残っていました。今回は快適なY3の中で、、、とはいえ、参加者は64才の男性と一文字巨大書道の講師を務めたヤマダヨーコさん。一体どんな講座になったのでしょうか・・・
講師:白井廣美(パフォーマンスアーティスト、姿勢セラピスト)
日時:7/27(日)15時〜16時半
対象:小学3年〜大人
講座がはじまった時はお話ししながらストレッチをしていたはずなのですが、再び覗いた時はすでにこの状態。各々身体の思うままに動いてパフォーマンスの真っ最中でした。参加者にとっては濃厚な時間となったようです。
『おでかけ番外編』講師の田岡さんは香川県出身。Y3を飛び出して地元の香川まで連れて行きたかったそうです。
29:「フェリーで小豆島へ。さあ冒険だ!」
講師:田岡和也(美術家)
日時:7/27(日)7:30第三突堤ジャンボフェリーのりば集合 19:30神戸港到着、解散
対象:親子ペア参加(小学生以上)
第三突堤からジャンボフェリーで小豆島へ。船内では田岡さんお手製のしおりを見ながら本日のスケジュールを確認。合わせてスケッチブックと鉛筆がプレゼントされました。
船の外に出てスケッチも。小豆島でも移動の合間を縫うようにスケッチして記録していたようです。
同雲山・碁石山の絶景ポイントで記念撮影。
移動中に綺麗な玉虫を発見!!みんなのテンションが一気に上がった瞬間でした。
マルキン醤油記念館にも行きました。ここでは醤油ソフトクリームや醤油サイダーなど食べ物の誘惑が・・・
朝早くから小豆島を巡るハードな一日となりました。さすがに帰りのフェリーでは子供達はウトウトしていたようです。 おつかれさまでした!
ふつかめのレポートもこれにて終了。みっかめに続く!
同雲山・碁石山の絶景ポイントで記念撮影。
移動中に綺麗な玉虫を発見!!みんなのテンションが一気に上がった瞬間でした。
マルキン醤油記念館にも行きました。ここでは醤油ソフトクリームや醤油サイダーなど食べ物の誘惑が・・・
朝早くから小豆島を巡るハードな一日となりました。さすがに帰りのフェリーでは子供達はウトウトしていたようです。 おつかれさまでした!
ふつかめのレポートもこれにて終了。みっかめに続く!
2014年8月16日
アート林間学校2014写真レポート_7/26(土)いちにちめ
笑顔あり、笑いあり、時には涙も...!?子どもも大人も大奮闘!!アート林間学校2014の様子を日にち別にお届けいたします。
■7/26(土)いちにちめ1:「二人で描こう♪」今年のアート林間学校トップバッターはカワサキマキさん。昨年とった「臨床美術士」の資格を活かしての講座です。二人で交互に線を描いたり、色を塗ったりしながら一枚の絵を完成させます
講師:カワサキマキ(臨床美術士)
日時:7/26(土)10時半〜11時半
対象:3歳〜大人
まずは練習。クレヨンも重ねたり擦ったりいろんなぬり方があるよね。
いざ本番!割り箸の先に墨をつけて線をひきます。仲良く姉妹での参加。
こちらは親子での参加です。線が交わって出来たスペースに色をぬっていきます。一度相手がぬったスペースにお邪魔してもいいんですよ。
最後はみんなで鑑賞会。相手の行動に刺激を受けたり、はたまた相手の行動を許せる自分に気づいたり、いろんな一枚の絵からいろんな発見があったね!
2:「実験陶芸!焼き方で色が変わる」[2回 連続受講]
講師:植田麻由(やきもの造形作家)
日時:7/26(土)11時〜16時(皿づくり)
対象:小学4年〜大人
所変わって、こちらは別館ねんど部屋。アート林間学校を楽しめるのは子どもだけではありません。大人が楽しめる講座も沢山あるんです。植田麻由さんが講師をつとめたこの講座は大人の参加者2名となんとも贅沢な時間となりました。
陶芸の焼き方には酸化焼成と還元焼成の2種類があります。同じ釉薬をかけても焼成の仕方によって焼き上がりの色の出方が変わるんだそうです。講座では2種類の土で皿を作り、同じ釉薬をかけてそれぞれ酸化と還元で焼成します。
こちらが色見本。
どんな焼き上がりになるかイメージしつつ、1日目は成形作業。黙々と作業が続きます・・・
3:「手づくりのリボン」
講師:かなもりゆうこ(美術家)
日時:7/26(土)1回目 13時~15時/2回目 16時~18時
対象:小学5年~大人
リボンといえばどんなものを想像するでしょうか。贈り物につけるリボン、髪の毛を結ぶためのリボン、腕に結んで今日のスタイルのアクセントにしてもいいかもしれません。そんなちょっと特別なリボンを自分でつくります。
講師はかなもりゆうこさん。舞台など大きな作品制作に取り組む片手間、ご自身でも気分転換も兼ねてリボンづくりをしているそうです。
ハギレをさいて結んだり、縫ったりしながら自分だけのリボンを作りました。
リボンとあって、参加者は女子ばかり。一回目は小学生チーム。ふわふわのリボンがたくさん出来ました。
期せずして、二回目は大人チーム。カワイイだけじゃ物足りない!?個性的なリボンが出来ました〜
26:復刻講座_「無響室って作れるの!?」(2002年実施)
講師:藤本由紀夫(アーティスト)、下田展久(ミュージシャン)
日時:7/26(土)14時~18時対象:中学生~大人
今回の林間学校ではC.A.P.20周年を記念して、これまで開催された講座から人気投票で3講座を復刻開催しました。ひとつめが2002年に開催した「無響室って作れるの!?」です。
まずは、"音"や"響き"とは何か??という話から。机の上にある針金ハンガーではチャイニーズゴングを作りました。
センターの中で生じるさまざまな響きをみんなで体験。しかし、同じ体験をしても、"響き"はこういうものだと言葉で説明しても、どんな理解をしているかは人それぞれなんですよね。本当に不思議です。
当時はクーラーのないCAP HOUSEでウレタンマットを敷き詰めた紙管に入る・・・という大変過酷な講座だったそうです。今回はクーラーの聞いたギャラリーで(笑)身近にあるものを使って無響室作りに挑戦しました。
いちにちめはこれにて終了!おつかれさまでした!!
2014年7月31日
【トモコの部屋】8月のゲスト:山盛英司(朝日新聞大阪本社生活文化部長)
C.A.P.は今年で20年目。代表の杉山知子が毎月ゲストをお招きして、これまでの活動を振り返ります。アーティストが集まって始まったC.A.P.の中に一人、新聞記者が混じっていたことがありました。 山盛英司さんにとってC.A.P.はどんな存在だったのか、そして今はどう映っているのか。
【今月のゲスト】
山盛英司 Eiji Yamamori
(朝日新聞大阪本社生活文化部長)
1963年名古屋市に生まれる。早稲田大学卒業後、88年朝日新聞入社。
AERA発行室記者、神戸支局、 大阪本社学芸部記者、東京本社文化担当部長、デジタル本部長補佐などを経て、2014年から現職。
C.A.P.に出合ってラッキーだった
杉山: 山盛さんは大阪本社学芸部の記者だった時、C.A.P.の活動に参加してくださっていました。
山盛: 1996年からです。最初、原久子さん*1から電話がありました。当時、兵庫県立近代美術館の学芸員だった山崎均さん*2が何かと取材に協力してくださっていて、山崎さんが原さんに紹介した みたいです。
杉山: それで一度、サロンでお話してもらうことになったんですね。内容は、白系ロシア人とかユダ ヤ人とかフリーメーソンとか、それまであまり知らなかった神戸の街の歴史についてのお話でした。
山盛: 95年9月まで神戸支局の、文化とか社会とか特定の担当がない、遊軍記者でした。その時に歴史を掘り起こしてみようと。「映画100年」のテーマで連載を書いていましたが、95年の正月に震災 があって、連載は中断しました。その年の秋、大阪本社の学芸部に異動になり、美術担当になりまし た。美術は好きでしたが、関西のアートシーンについて右も左もわからない時に、C.A.P.に呼んでいただいてラッキーでした。
杉山: こちらは震災の後、旧居留地で何かできないかなと考えているところだったんです。じゃあ、 街を知るところから始めようと、山盛さんを呼んだわけです。
『山盛新聞』を発行
杉山: 山盛さんは「旧居留地物語」を連載していました。みんなで旧居留地を撮影してまわる「のぞ き穴からみた街」*3というイベントをしました。新しい街に変わる前に、「今」を見ておくことが大事じゃないかと。その時はまだ、ラフカディオ・ハーンがいた新聞社「コウベ・クロニクル」*4 があったビルもレンガが残っていて、その前でベンツがぺっちゃんこになってた。この時の写真集も時間が経つと貴重になってくると思います。
山盛: 路上観察というのはありましたけど、一斉にぱあっと、みんなでやろうというのはなかったですね。画期的だったのは、みんなが街にちらばっているのがそのまま作品になっていたこと。それを見ることはできないですが、光景がイマジネーションできる。
杉山: ビルに入らせてもらったり、屋上に上らせてもらったり。
山盛: 今でこそ、妻有とか瀬戸内とか、まちをふらふらするのがあたりまえになってきたという か...。
杉山: これは、作品を置いておいて見せるわけじゃなくて、参加する人が探すというものでした。 「アート・ポーレン」*5もそう。その次は「観光」をテーマにイベントをしました。観光って何だ ろう?それは自分で見ること、発見することじゃないかと、サブタイトルを「なんでもない一日」 *6にしました。
山盛: いい題ですね。今でも、いや今でこそ、ですね。今はとにかく何でも、文化で観光っていうこ
とになってしまった。
杉山: この時、山盛さんには大いに力を発揮してもらい、『山盛新聞』を発行しました。その日の内に取材して発行までする。
山盛: C.A.P.の仕事っておもしろくて、それまで、アートが表現される現場にいて、それが参加者によって意味づけられていくという体験はしたことがなかった。私の新聞も、誰ももらってくれないと思っていたのに、余るどころか足りなくなって、夕暮れ時に追加分をコピーして戻ってきたら、二三十人残ってくれていて、ものすごく感動したんです。貴重な体験でした。
アートがアートになる瞬間
山盛: 私の美術の見方は、C.A.P.によって養われたと言ってもいいくらいです。その後の美術記者としての背骨のようなものができたからです。
杉山: へえ?
山盛: C.A.P.の活動は、芸術と芸術じゃないものの境界線上にあると思いました。「美術とは何か」という真正面からみても答えが出てこないようなこと、アートの本質というものは、アートとアートじゃないぎりぎりの境界線上のところを見ていくと、見えてくるんじゃないかと、参加した時に思ったんです。撮りきりカメラで街を撮るだけじゃアートじゃないけど、こういう風にやるとアー トになるという、ぎりぎりの瞬間がある。アートがアートになる瞬間...。それがアートとして成立する瞬間と、逆にアートでなくなる瞬間を見ていくことを、その後も記者として続けました*7。
杉山: ちょっとしたきっかけで、アートになるという、その仕掛けがおもしろいんです。それを今までやってきたつもりですが、最近つまんないのは、作品をそこに置いとけばいい、という安易なやり方が多いこと。
山盛 :出発点も違いますよね、C.A.P.の場合は主体がC.A.P.にある。最近のは行政に仕組まれている。「おぼれるものはアートをつかむ」なんて言われたこともあって、行政は2000年代からいわゆる大箱の「箱物行政」が手詰まりになって、芸術を取り込む動きが生まれた。恒久設置ではなく一 過性のもので、ダメになったらやめればいい。それはたいてい集中的に人集めができる一時の催しだけれど、C.A.P.は、ずっと継続的に日常の活動として議論をしていて、ある時が来たら、やりま しょうという方法でした。
アートがアートでなくなる瞬間
杉山: アートとみんなの日常生活が近くなれば、と思っていろいろ探ってきたけれど、どうなんだろ う?
山盛: C.A.P.がスタートした時、社会はアートに無関心だった。無関心な社会に対して、アートは関心を喚起できるかもしれない、その先にアートの本質的なものがあって、人がそこに関心を持つと、もっと生活が変わっていくかもしれない。そんな希望を持っていた。ところが、行政が廃校になった小学校とかレンガの倉庫とか、どうぞ現代アートに使ってください、という時代になった。与えられた時代だから、当然、表現は違ってくるでしょう。大事なことは、環境に溶け込んでいってしまうと、アートでなくなってしまって、アート的なものになってしまうことです。それこそ、触ると ケガするみたいな、火傷するような、絶句してしまうことがどっかにないと、アートじゃなくて、ただの観光の装置になっちゃうと思います。
杉山: いまは田舎だとか島だとか、何をやってもウエルカムな雰囲気があるけれど、震災後の神戸で 始めた時は、認められていないから、街の人の反応がわからないのがおもしろかった。「観光」で は、本当に観光している人もいて、うまく引っかかったなと思った。
山盛: ゲリラでしたよね。それと比べると、若い世代は、うまくなりました。ある場所に行って、そ
の場所の文脈を引き出して作品にすることがうまくなった、むしろそこが危険だと思います。
杉山: そう。これでいいのかなって。
山盛: この作品で、あなたはどこにいるの?何がしたかったの?という問いがふつふつと湧いてきま す。以前に比べ言葉が豊富なんです。ここにはお墓がありましたとか、手作業のおばさんたちがいま すとか、そんな時代の記憶を蘇らせましたとか。ストーリーがきれいだし、歴史とか積み重なっていて良いですよ、できた物も良いですよ、でもそれはアートかな?アートがアートじゃなくなる瞬間というのを感じる、異物ではなくなってきているんです。その一方で、個に引きこもっていく作品がある。そういう表現が出てきて、それがわかる自分になりたいと思いますけど。
杉山: そんな世代に期待は持っているんですね。
山盛: ええ。それをわかるには、これまでの自分の美術観を壊さないと。これは自戒を込めた話で、 フランスの社会学者ピエール・ブルデュー*8を読んで思ったのですが、宿命的なものを感じるのは、ある作家なり、ある芸術のムーブメントと、それを批評する人、売る人は一緒に成長するということです。前の世代のアーティストは社会と闘う人たちだった、激しくぶつかって社会を批判し、社会の矛盾を表に出そうとした人たちがいた。その時、記者は前衛芸術の同志といってよかった。私と同世代のアーティストは社会とはけんかしていなくて、等身大の、攻撃してこないアートがあった。上の世代は、私たちの世代にじりじりしたと思うんです、なんで社会と手をつないでいるんだと理解しづらかったのでは。私が下の世代に面食らうのも同じじゃないかと。次の世代には、違った批評家が登場して、違う言葉を彼らに与えるのだろうと。
杉山: アートと社会の関係が変わったんですね。
山盛: それに合った仕組みが生き残るのでしょう。
【註】
*1 当時C.A.P.メンバー。このころ京都造形芸術大学に勤務し、大学発行の「Art & Critique」誌の編集を中心に美術雑誌等にも執筆、展覧会や講演の企画も。現在、大阪電気通信大学教授。
*2 C.A.P.創立のころ、1994年10月に同氏が企画した展覧会「明日の美術館を求めてIII 眼の宇宙--かたちをめぐる冒険」には、C.A.P.創立メンバーの石原友明、藤本由紀夫も出品。現在、神戸芸術工 科大学教授。
*3 CAPARTY vol.3として、1996年11月3日開催。白黒のレンズ付きフィルムカメラで参加者が撮影、フィルムを回収して写真集を作成。
*4 居留外国人向けの日刊英字新聞The Kobe Chronicle。ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)も一時、記者として在籍し、論説欄を担当。
*5 CAPARTY vol.5として、1997年11月3日開催。旧居留地内に点々と14組のアーティストが散らば り、参加者は作家と直接コミュニケーションすることで理解を深める、参加型・移動型の展覧会。
*6 CAPARTY vol.7「観光--なんでもない一日」。北野町、旧居留地、トアロードをエリアに、1998年 11月3日開催。
*7 100人のアーティストにインタビューした連載「ハンティング・アート」(朝日新聞大阪本社版朝刊)をはじめ、アウトサイダーアートやアジア同時代アート、アートと経済などを追った。
*8 Pierre Bourdieu(1930--2002)。『ディスタンクシオン』『芸術の規則』『実践感覚』など。
2014年5月24日
CAP STUDIO Y3にて収録
2014年7月26日
【アート林間学校2014】直前でもまだまだ受講者募集中!
本日より、アート林間学校がスタートしました!今年も各講座のレポートをお届けいたしますのでお楽しみに。
・・・とはいえ、まだ募集定員に達していない講座もありますので、今回は直前でもお申し込みいただける講座の紹介です。
写真の真ん中で困った顔をしているのが講師で彫刻家の築山さん。
CAP随一のスポーツ観戦大好き、もちろんするのも大好きな講師と一緒に、ボールを使った新しいスポーツをみんなで作ろう!という講座です。
ボールを使うスポーツといえば野球、サッカー、バスケット、ラグビー、テニス・・・と思いつくものはたくさんありますが、
みんなの経験や斬新な発想でルールを考えて、実際にやってみたらどうなるのかちょっとワクワクしませんか?
大人の参加ももちろんOKです!
二つめは、最近何かとCAP内をにぎわせているマキコムズの講座です。
「CAP CUP ダービー2014---競争馬になろう!」という講座なんですが、タイトルだけではよく分からなかったかもしれません、、、
この講座、馬のかぶり物(しかも全身)を作るんです。しかもマスダさん曰く「最近私がやったワークショップの中で難易度高め」なんだとか。
そして最後はみんなで馬になって競争までしちゃおう☆という、なんともハチャメチャな講座であります。
写真はその試作1号、まずは頭から。なんとも愛らしい瞳をしております。
試作2号。・・・あれ、なんか馬にはみえないような(汗)夢に出てきたら怖くて目が覚めそうデス!!!
おかしいな〜と首をかしげるマキコムズの2人。バカバカしいことのような気もしますが、当人たちは大真面目に悩んでいるので笑いが絶えません。
試作3号。2号からの目覚ましい進化です!!
顔にはマスク、しなやかなシッポ。下半身もかなり馬らしくなりましたね。
とはいえ、まだ足の部分が納得いかない様子。開講直前まで改良が加えられるようです。
マスダさんのコメントにもありましたが、これだけの工作を3時間で仕上げるとなると本当にハードな講座になりそうです。でも、出来上がりはかなりの大作になりますね!
最終日は午後から同じ時間に3講座開講されるので、どれを受講しようか迷っている人や、すでに定員に達してしまった「登れ紙ロボ!Y3クライミング」のキャンセル待ちをしている人にもおすすめですよ。
「第1回 Y3ボウル!」と「CAP CUP ダービー2014---競争馬になろう!」の詳細は下記にてご確認ください。お申し込みはメールからどうぞ!
まだまだお申し込みお待ちしております!!
===
10:「第1回 Y3ボウル!」
講師:築山有城(彫刻家)
日時:7/30(水)11時〜16時
対象:小学生~大人 定員:10名
受講料:1,000円
やわらかボールと丸いコートを手がかりに、遊びながら少しずつみんなで新しいスポーツをつくります。ひとりでやるのか!?チームでいくのか!?グランドスラムでハットトリックでノックオン!
ーーーー
25:「CAP CUP ダービー2014---競争馬になろう!」
講師:マキコムズ(カワサキマキ+マスダマキコ)
日時:8/3(日)13時〜16時
対象:5才〜大人(未就学児は保護者同伴) 定員:10名
受講料:1,500円
今年は午年です。自分の体を元にして、紙やヒモでほんものそっくりの競争馬になって廊下を馬鹿らしくも鮮やかに駆け抜けましょう!
2014年7月24日
7/6 ねんどクラブ「やきもの基礎レッスン」 写真レポート
今年で3年目に突入したねんどクラブ。4〜7月は「基礎レッスン」として毎月1回、みんなで楽しくやきものの基礎を学びます。
最終回の7月の講座の様子を講師の木村のぞみさんからレポートしていただきました。
===
初夏の日曜日、『ねんどクラブの焼きもの基礎レッスン』第4回目が開催されました。
今回は1~3回目で制作した作品にゆう薬を掛けます。
の前に電気窯の見学!
素焼きを終えたままのようすをご覧いただきます。
大きいですね~うっかり落ちてしまわないように覗き込みます。
中はこんな感じです。素焼きは重ねたり立てたりして焼いても大丈夫なんです。
窯出しする講師たち。
ねんど部屋までリレーで運び込みます!共同作業いいですね~。
それぞれの作品にわいわい楽しく語り合っています。
そしてゴールへ。
手びねりのうつわ、くり抜きのオブジェ、板づくりのお皿。
同じテーマで制作しても作る人のアイデアでこんなにいろんなバリエーションができます。
ここから本題のゆう薬掛けのデモンストレーションです。
「この形ならこう掛けます」「こんな掛け方もあります」
と、最終的には個人的に相談して掛け方は柔軟に変えます。
そんなこんなで無事に窯で焼き上がった頃にお菓子を持ち寄りお茶会をします。
もちろん自分で作った作品にお茶を淹れます。使ってみて、手作りの良さを実感できますね。
月一ペースで陶芸、楽しいですよ!
来月からはやきもの応用編『ティーセットを作ろう』がはじまります。
まだまだ挑戦者募集中!ご予約はメールでも承ります。
「基礎レッスン受けてないけど大丈夫かしら?」という方も歓迎です。
今までと同様丁寧にお教え致します♪
ちょっと早めの(?!)芸術の秋を一緒に楽しみましょう~!